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チューブチョコを覚えてる? [食]

チョコソフト1.jpg たまご(おっぱい)アイスの記事に寄せていただいたコメントで、
「手がべたつくのが気になるけどね(ujinyさん)」
 という感想があった。
「あれ、そういやそんなお菓子が他にもあったな」
 と思ってボーっとしていたら、心の奥底からぼんやりと形を取ってきたものがあった。外見は、水彩絵の具か歯磨き粉みたいなアルミチューブなんだけど、中には半固形のチョコが入っていた。フタを取ってチューチューとチョコを吸い出しながら食べるんだけど、吸い口からチョコが出なくなると、結局はチューブを破って、容器の裏側にへばりついているチョコをベロベロと舐めとることになるんだよね。これをやると手だの顔だのにチョコがベタべとついて、しかもその手で服やズボンを触ることになるので、二目と見れない姿になることが多かった。そのまま帰宅すれば、当然のように母親から叱られるわけで^^;
コビト.jpg このチョコレートは『チューブチョコレート』と総称されているけど、メーカーによって呼び名は様々だったようだ。チューブチョコについては、昭和のB級文化に詳しい日曜研究家の串間努さんが(株)コビトのチューブチョコレートを紹介したせいか、ネットを調べるとコビトを元祖と思ってる人が多いようだけど、これは勘違いだ。串間さんはそんなことを一言も言っていないのに(笑)。
パイプチョコ.jpg (株)コビトの母体である東京渡辺製菓が設立されたのは昭和31年(1956)のことだ。当初は同社のブランドに過ぎなかった『コビト』に社名を変更したのは昭和40年(1965)。コビトを世に知らしめた『チューブチョコ』と『パイプチョコ』が世に出たのはそれ以降のことなんだ。
 実はその十年以上も前にチューブチョコを発売していた会社があるんだよね。大阪に本社を持つ昭和27年(1952)創業のフルタ製菓(株)だ。同社の『チョコソフト』というチューブチョコは昭和29年(1954)に発売されているんだ。まだ確認中なので、これが元祖とは言い切れないんだけど、今のところは最も古いチューブチョコといっていいだろう。
わなげチョコ.jpg フルタ製菓は『ハイエイトチョコ(1967)』や『わなげチョコ(1968)』『セコイヤチョコレート(1976)』『どでかばーチョコ(1986)』『チョコエッグ(1999)』等々、子供向けチョコレートの分野では今でも親しまれているロングラン製品を輩出する老舗。もちろん『チョコソフト』も現役商品だよ♪
 それから、串間さんがコビトでチューブチョコを製造していた方に行った貴重なインタビューがあって、そこではチューブチョコが生まれた経緯等が紹介されていてスゴく面白いよ。ただ、コビトは既に消えてしまった会社だけどフルタの現役商品と同列に語られるとマズい内容なので、残念ながらここでは紹介できないや(理由は読んでもらえたら分かります^^;)。串間さんに許可を頂いてないので直リンもできないから、検索エンジンで「コビト チューブチョコ」で探してみてね。「コビトのチューブチョコはパチンコ景品のリサイクル」って記事がそうだよ。
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ベビースターラーメン [食]

ベビースターラーメン2.jpg 今年は駄菓子の50周年がやたらと目立つ。ぼんくらの生まれた昭和34年(1959)は駄菓子のベビーラッシュ年ってことになるんね♪ 松田産業有限会社(現おやつカンパニー)の『べビースターラーメン』もそのひとつだ。
 創業者の松田由雄さんが、当時手掛けていたノンフライ麺の製造工程でどうしても出てしまう麺のカケラを集め、味をつけてフライにしたものを従業員向けにおやつとして配ったところ、「美味い」と大評判になったというのがベビースターラーメン誕生のきっかけだ。
 その後、子どもたちがそのままで食べやすい麺の太さや長さ、味付けなどの研究を繰り返した結果、昭和34年(1959)に1袋5円でチキン味の『ベビーラーメン』として発売。その後10円に値上がりしたんだけど、人気は衰えるどころか子どもたちの支持を得て、たちまち全国の駄菓子屋さんに行き渡ることになった。先立つ昭和33年(1958)に日清食品の『チキンラーメン』が巻き起こしたラーメン旋風に後押しされた形だったんだけど、事実、美味しかったよね。袋に印刷された女の子は『ベビーちゃん』だよ。
 名称が現在の『ベビースターラーメン』に変更され、価格が20円に値上がりしたのは昭和48年(1973)。マスコットキャラがベビーちゃんから『ベイちゃん』に交代し、みそ味、しお味、カレー味がラインナップに加わったのは昭和63年(1988)のことだ。
 さて御年21才になったはずのベイちゃんだけど、不二家のペコちゃんポコちゃんと同じく、年齢はずーっと10才のままなんである。東京都民で、お父さんは作家、お母さんがデザイナーという結構ハイソな家庭の坊やなんだよね。
ベビースターラーメン1.jpg 自由な気風で育ったせいか、ベイちゃんは好奇心が旺盛。日本全国津津浦浦を旅するだけじゃ収まらず、中国からイタリアに至る麺ロードを走破し、果ては宇宙旅行にまで出かけちゃうという何ともウルトラに行動的な小学生だ。人は見かけによらないねぇ(笑)。行く先々でお母さんお手製のコスチュームを身に付けてラーメンの袋に登場してるんだよ。気付いてた? あ、時々女の子も顔を出してるけど、あれはベイちゃんが女装してるわけじゃなくって、『ビーちゃん』という8才のれっきとした女の子だからね^^; ベイちゃんとの関係は不明だけど、どうやらベイちゃんとビーちゃんでベビーちゃんということらしい。え、言われなくても分かるって?


■ベビースターラーメンCM 田代まさし編 オンエア年不明■



■ベビースターラーメンCM 1991年か1992年■


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たまごアイス? おっぱいアイス? [食]

 今日の話題に入る前に、以前に宿題となった『パインアイス』についての中間報告を。結論からいうと、まだ元祖は特定できずにいるよ。情報を照会した各社からの返答から浮き上がってきたのは、どうもパインアイスの製法については各社とも特許を取っていないのではないかということだ。「ご指摘の商品と弊社の旧製品が同一のものであるとの確認がとれませんでした。従いまして特許に関しましてのご質問にはお答えすることができません」「弊社では当該商品の製造工程について他社のライセンス生産を行ったという事実はなく、また弊社による特許を含め独自製法を謳った事実もありません」。カンタンに言って特許は取っていないのだ。これは特許検索の結果とも符合するので、事実とみていいだろう。ただ、ぼんくらが本命じゃないかとみているもう1社については、今後も引き続き調査を続けていくつもりなので、新事実が明らかになったら、また報告するね♪
たまごアイス1.jpg さて今回の本題もアイス。しかもこれまた謎の多い商品なんだよね。『たまごアイス』。出たぁ! って思ってる人もいるでしょ^^ ゴム風船状の袋にバニラアイス味のシャーベットを流し込んで輪ゴムやアルミ環で留めてあるやつだよね。呼び名もまちまちで『おっぱいアイス』とか『風船アイス』『ボンボンアイス』『ヨーヨーアイス』なんて名前で覚えてる人もいるんじゃないかな。
 これって、おっぱいアイスと呼ばれる通り、結わえてあるほうの反対側に乳首のような突起があって、そこを歯で噛み千切ったり、ハサミで切ったりして、そこからチューチューとアイスを吸い出すって食べ方だったよね。子供時代ならまだしも、さすがに今、往来を歩きながらこうやって食べろと言われても引いちゃうな^^; いきなり、教師生活を引退した風情のおばさんにハンドバックで思いっきり殴られて、警察に突き出されそうな気がする(笑)
たまごアイス2.jpg 立派な現役商品で、井村屋や大阪のセンタンからは『たまごアイス』、高知の久保田食品からは『おっぱいアイス』、福岡の丸永製菓からは『恐竜の玉子』などなど、複数のメーカーが製造してるんだけど、パインアイス同様、これも元祖が分からない。製法が単純明快なところをみると、どこかの町のアイスクリーム屋さんが思いついて売り出したらアッという間に広まった、ってな感じかもね。
 今はそんなことはないだろうけど、ぼんくら少年がせっせと食べていたころはゴムの品質が悪かったんだろうね、なんかの拍子にゴムが破れちゃって中身が地面にボトンなんて悲劇があったなぁ。中身が液状になってるのに気がつかないでグイッとゴムを押して頭からアイスを被ったこともあるし。でも、あの優しいミルクの味とゴムの臭いは、やっぱり忘れられないや。


■久保田食品御謹製『おっぱいアイス』を紹介しています■


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マルカワのマーブルガム [食]

マーブルガム1.jpg このブログを始めて間もない頃に、駄菓子屋で万引きを働いた体験を書いたことがある(『駄菓子屋』)。万引きしたのはオレンジ味で箱入りの丸いフーセンガムだったんだけど、昨晩、その正体が分かった。
 名古屋の丸川製菓(株)が昭和34年(1959)に発売を開始した『マーブルガム』。小さな四角い紙箱に丸いフーセンガムが4個入っていた。駄菓子屋のフーセンガムという独自の立ち位置を守り続けて今年で50周年。発売時は5円だったけど、昭和49年(1974)からは10円になり、平成2年(1990)からは6粒で20円になり現在に至っている。
 丸いガムって考えてみるとあんまりないよね。マーブルガム以外にぼんくらオヤジが思い出せるのは、ガシャポンに入っていたアメ玉大のガムぐらいかな。実はマルカワのフーセンガムが丸いのには面白いエピソードがあるんだ。
 ホントはね、マルカワのガムはキオスクなんかで売ってる四角い糖衣タブレットになる予定だったんだ。それがね、当時の加工技術だと何度チャレンジしても製造時の熱でガムがまん丸くなっちゃう。業を煮やして、
「ええやんか、丸くても。これはこれで面白いかも」
 と売り出したら当たっちゃった。本当の話なんだよ、これ。板ガムが主流だった当時、マーブルガムは小さな子供たちにとっては一口サイズの食べやすいガムだったのだ。
マーブルガム2.jpg もう一つの勝因は当たり付きだったということ。マーブルガムはロットで買うと、ひとつ余分にガムが入っている。つまり1ロット(36箱入り)につきひとつの当たり付きガムが入ってることになる。回転の速い駄菓子屋さんだと結構な確率で当たりの箱に出くわすわけで、これが子供たちにウケた。ただこういうシステムなので、当たったら買った店に行かなきゃダメっていうお約束があるよ。
 愛らしい小箱を振ると丸いガムがカラカラと音をたてるマーブルガムは、「3世代に愛される味」というキャッチで今も子供たちに親しまれている。

注: 現在、マーブルガムは当たり付きが6粒入り、当たりなしが4粒になっています。


■星のカービィ(コーラ味) 最近のマーブルガムも昔と全然変わってませんね♪■


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森永ミルクキャラメル [食]

森永ミルクキャラメル2.jpg サイコロキャラメルの記事を書いた時、「おばあちゃんが好きだった黄色いパッケージの森永のミルクキャラメル」というコメントを頂いた(やなぎはっかさんに感謝)。黄色い箱のキャラメルといえば、名前やメーカーが分からなくても「ああ、あれね」と合点がいくほど、森永ミルクキャラメルは昭和生まれの脳裏に焼き付いているお菓子だ。
 それもそのはずで、このキャラメルは昭和はおろか、大正を飛び越えた明治32年(1899)の森永洋菓子製造所(現森永製菓)の創業当時まで遡れるほど長い歴史を誇っている元祖国産キャラメルなのだ。
 発売を始めたころは今の生キャラメルみたいなものだったので、高温多湿の日本ではすぐにドロドロになっちゃう。これをクリアするのは容易ではなかったようで、創業者の森永太一郎が試行錯誤を重ねて現在の品質に落ち着いたのは大正2年(1913)のことだった。現在の名称『森永ミルクキャラメル』の名を冠したのは大正2年6月10日なので、森永ではこれをもって発売日としている。
 さて例のパッケージだけど、歴史を知った上でじっくり見てみると、いろいろと面白いことが分かるよ。「滋養豊富」「風味絶佳」という古色蒼然としたキャッチが筆文字で並んでいたり、箱の裏側に「森永謹製」となっていたりするのは別にレトロ感を狙った演出なんかじゃなく、色も含めて基本デザインが昔から変わっていないだけのことだ。
森永ミルクキャラメル1.jpg ヒモのような線画が描かれているのは、大正末期から昭和20年(1945)まで箱に付いていた帯封の名残だ。もっとマニアックなのはエンゼルマークで、現行商品の中では唯一、戦後の昭和世代には馴染み深いエンゼルマークよりもさらに古いものが使われているんだよね(詳しくは下の関連記事を読んでね)。
「子供の頃に、色は黄色だったけど今風のデザインの箱を見たことがあるんだけどな」
 って人がいるかも。これも勘違いじゃなくって、昭和37年(1962)から1970年代の中頃まで当時の売れっ子デザイナーだったウォルター・ランドーのデザイン・パッケージが使われていたことがあるからなんだ。旧デザインのほうが消費者に人気のあることが分かって結局、元に戻っちゃったんだけどね。
 ちなみに6月10日は森永ミルクキャラメルの発売を記念して「ミルクキャラメルの日」になってるんだって。知ってた? 

関連記事:「森永エンゼルマークの秘密」 http://bonkura-oyaji.blog.so-net.ne.jp/2009-08-22



■「森永ミルクキャラメル」CM 1954年■



■「森永ミルクキャラメル」CM 2009年■


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サイコロキャラメル [食]

サイコロキャラメル.jpg ぼんくら少年の部屋はどうしようもなく殺風景だった。父曰く「修道士の部屋」はポスターも皆無、オモチャの類はワードローブに放り込んであったので、室内はガランとしていた。喘息の息子のために部屋が埃っぽくならないようにという母の配慮だったんだけど、弟妹の部屋はフツーに賑やかだったので、内心は面白くなかったんだよね。そこで唯一の反抗というか、窓の桟にサイコロキャラメルの箱をズラリと並べたのだった。
 赤と白の箱は可愛らしく、箱が一つ、また一つと増えていく度に部屋が明るくなっていくようで、あれは嬉しかったなぁ。母も息子の気持ちを理解してくれたのか、これだけは許してくれた。ささやかな、でもぼんくらの胸に焼き付いている光景だ。
 明治製菓のサイコロキャラメルは昭和2年(1927)に発売された超ロングランの国民的なお菓子だ。発売当初の値段は2銭だった。ボクらの父や母が子供の時分に慣れ親しんだサイコロキャラメルは、あの愛らしい姿のままで今も店頭に並んでいる。


お知らせ: 昨日はお見舞いのお言葉に本当に元気をいただくことができました。暖かい友情に心から感謝です。今日もペットの雪之丞に虐められて体力の消耗が甚だしいため、ブログ訪問はできそうにありません。この調子だと明日は伺えると思いますので、どうかよろしくお願いします。


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パインアイスの謎 - 続報 [食]

 パインアイスの件で情報を寄せてくださってありがとう! とくに具体的な情報を寄せくださったixionさん、ujinyさん、たろすさん、ファジーさんには心から御礼申し上げます。おかげさまで糸口が掴めたかなって感じです。おかげさまで、ぼんくらオヤジに家族が着せた汚名はこれで返上できそうです(笑)。
 現在、最有力候補は2件あって、関係する会社に問い合わせたり、特許情報を洗い出すなどの詰めを行っています。次に候補について説明しますが、本件については数社のご協力を仰いでおりますし、本家・元祖を巡る神経質な話題でもありますので、事の次第が判明するまでは、記事中の固有名はすべて伏字で行いたいと思います。また、情報源となるブログ等の運営者の名誉に係ることも言及することになりますので、こちらも同様に固有名を出したり、記事から当該サイトへのリンクは致しません。以上、諸事情を御参酌の上、ご理解とご協力をお願いします。
 ます、頂きました情報で真っ先に浮かびあがったのは秋田のMK社という冷菓メーカーです。あるブログで昭和30年代前半に掲載されたというMK社の新聞広告が掲載されており、その中に「特許アイスクリーム ¥10」とあってパイナップルの輪切りのイラストが載っているのです。ブロガーさんは、これを基に「特許アイスクリーム」を「パインを輪切りにした形状の氷菓」とし、さらに金型の特徴と柱状結晶を作る製法を紹介して「その製法が特許を取得していたため『特許アイスクリーム』としたのだろう」と結んでいます。
 やったー、これで決まりだ! と小躍りしているところに、もうひとつの情報を頂きました。こちらには紙製のボックスパッケージの写真が掲載されていて、目ん玉が飛び出るほどビックラこきました。ぼんくら少年が食べていた、そのものズバリのパインアイスだったんです! これがMK社のパインアイスだったのかと、解説を読んで2度ビックリです。「TSアイスパイン(氷菓)」とあって「黄色のスライスしたパインみたいな形をした・・製法特許」とあるんです。「食べると"シャリシャリ"した感じ」というブロガーさんの感想から言って、これも件の輪切りパインアイスであると考えて間違いないでしょう。
 してみると同一ないしは酷似した製法がほぼ同時期に特許を取得していたという奇妙なことになります。そこで改めて、MK社の記事を丹念に読みなおしてみたんです。すると確認をしなければならないことが2点あることに気が付きました。
 ひとつは「特許アイスクリーム」が本当に輪切りのパインアイスを指すのかどうかということです。記事ではイラストを根拠にそう考えているようで、事実確認を行った節がないんです。何故そう思うかは後述します。
 もうひとつは、柱状結晶による製法を「特許アイスクリーム」の製法とと同定していいのかということです。「その製法が特許を取得していたため『特許アイスクリーム』としたのだろう」という下りでも分かるように、ブロガーさんもあくまで推論としているんです。つまり特許アイスクリームの形状と製法については推測の域を出ていない話なんです。
 記事中に詳細な製法が記述されているのは、ぼんくらの推論ですが、2008年にアップロードされている記事である点と、説明に使われている単語の特徴や説明の流れから、おそらく2005年に某商業サイトに掲載された記事がたたき台になっているものと思えるのです。パインアイスについてのネット上の情報は極めて少なく、金型を「シフォンケーキ」と表現している点や、「外側と内側から冷凍」というある種特徴のあるあやふやな表現がそのまま記事にも登場していますから。ただこのブロガーさんの名誉のためにも申し上げますが、他者の記事をそのまま引き写すような蛮行は決してなさってはいませんので念のため。話は外れますが、このブロガーさんの記事を臆面もなく丸ごと引き写しているブログが少なからずあったのには怒りを覚えました。
 幸いにもMK社は名前と業務内容を変えながらも現存していますので、本日、書面で質問状を送りました。電話で連絡してみたのですが、「昔のことで調べるには時間がかかる上に創業者の名誉に関わりかねない質問でもあり、質問の趣旨を書面で明らかにしてほしい」ということでした。時間がかかるかもしれませんね。
パインアイスパッケージ.jpg 他方のTS社ですが、こちらは現時点で足取りがつかめていません。こちらについては当該ブロガーさんに連絡をとって、パッケージから得られる詳細情報を頂こうかと思っています。事後承諾で心苦しいのですが、パッケージの画像を掲載します。もしご存知の方がいらっしゃったら、情報を頂ければ幸いです。
 井村屋さんにも情報照会を行っていますが、まだ返信は来ていません。お寄せいただいた共有情報なんですから当たり前ですが、途中経過なり、結論なりを報告していきますので、どうかお楽しみに!
 末尾ながら、情報を寄せてくださったこと、重ねて御礼を申します。お気づきの情報がありましたら是非、ぼんくらまでお知らせくださいね♪


■松田聖子 「パイナップル・アイランド」 いやぁ~何といいますかねぇ♪■


パインアイスの謎 [食]

パインアイス2.jpg 記憶ってあやふやなんだなぁって思い知ったことがある。
 先日のことだ。晩ご飯の後でぼんくら息子たちと学校給食の話をしていたら、パインアイスの話題になった。輪切りのパイナップルを凍らせたようなアイスで、給食の時に出ることがあるというのだ。そんなアイスがあったなぁと思って、
「お父さんも子供の頃に食った! わんさか食った。いや~懐かしい」
 なんぞと子供たちをワァワァ盛り上がったんだけど、後で調べてみたら、最も古い販売元と思われる井村屋で発売年が昭和56年(1981)だった。ぼんくらオヤジはとっくに成人。え~、ウッソぉ!? 慌てて特許検索をあたってみたけど、他にこんなアイスを作っているのは赤城乳業ぐらいで、しかも発売年は井村屋よりもはるかに後。あれぇ、やっぱり勘違いかよぉ。
 まてよ、以前に冷凍みかんを話題にしたことがあったな。輪切りのパイナップルを凍らせるぐらいのことなら、名も知れぬメーカーが販売していたかもしれない。そこで調べてみたら、何とこの発想がトンでもない当て外れなことが分かった。このアイス、輪切りパインを凍らせたものでもなければ、当時の技術で作れるような代物でもなかったのだ。
 ぼんくらオヤジや息子たちが本物だと思い込んだのは、ご存知のように中心から放射状に広がるパイナップル独特の繊維構造がアイスに再現されていたからだ。食べるとしっかり繊維の走る方向に千切れるしね。どうやってあんなアイスが作れるんだろう。
 パインアイスは中心に穴のあるシフォンケーキのような金型を用いて作られる。これにアイスの素となるジュースを注入パインアイス3.jpgし、芯側と外側から同時に凍らせていくと、氷の結晶が放射状に成長して、柱状結晶と呼ばれるパイナップルの繊維とそっくりな構造を作るのだ。これを金型から引き出して輪切りにすれば、輪切りパイナップルのアイスが完成するというワケだ。科学の勝利というか、何か発売年といい製法といいダブルでしてやられた気分だなぁ。
 でも、何か釈然としないなぁ! パインアイスと聞いて感じたあの懐かしさって、ホントにただの勘違いだったんだろうか。パインの缶詰とか、パイン・ジュースとか、あの辺に覚えていた憧憬と重なったのかもしれないね。


■マウイ島西海岸の「パイナップル・ツアー」 こんなふうに育つんですねぇ♪■


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不二家のパラソルチョコレート [食]

パラソルチョコ1.jpg フツーなら同じ種類のネタは連チャンで扱わないことにしてるんだけど、ポップキャンディを語っといて『パラソルチョコレート』を取り上げないわけにはいかないでしょ!
 不二家のパラソルチョコはポップキャンディと同じ昭和29年(1954)年に生まれた。こちらはポップキャンディのような産みの苦しみもなく、そのオシャレな形とコテコテのミルクチョコレート味で、発売早々から子供たちに受け入れられるヒット商品となった。ポップキャンディの開発に苦戦する不二家を3才年上のミルキーと共に支える存在となったって意味じゃ、ポップキャンディを語る上でパラソルチョコレートは避けて通れない話題なのだ。
 素朴な疑問として「なんでパラソルなの?」って思ったことはない? これには当時の不二家が全社的に行っていたイメージ戦略が深く関わっているんだよ。
パラソルチョコ2.jpg 不二家は何といっても洋菓子のメーカーだ。戦後間もない昭和27年(1952)の日本で「クリスマスセール」と称してケーキの大量販売を始めたり、ソフトクリームの国産第1号を世に送ったりと、不二家はハイカラでアカ抜けたイメージを世に発信し続けてきた。昭和31年(1956)にはバレンタインセールを始め、翌昭和32年(1957)には銀座数寄屋橋店にフランスキャラメルの大看板を立ち上げるなど、不二家が当時とっていた徹底した戦略線上に登場したのがパラソルチョコレートなのだ。
日傘.jpg 自分がサザエさんになったつもりで想像してみてよ。タラちゃんを連れて街へお出かけ。洋品店でウィンドウショッピングを楽しみ、洋食店でオムレツやカレーライスを食べる。今度はデパートをのんびり見て歩いて、お3時には洋菓子店で休憩。ケーキやクリームソーダをいただいて帰宅する。疲れてぐずり気味のタラちゃんの手を引きながら、もう片方の腕にはハンドバッグをぶら下げて…あれ、もうひとアイテム持ってるよ。なんだと思う? 答えは日傘だ。当時の大人の女性にとって、日傘はお出かけの必須アイテムだったのだ。つまりは、よそ行きでハイカラなイメージをパラソルに託したってことだね。
 もっとも、ぼんくら少年はハイカラだオシャレだなんてことは眼中になく、どうすればパラソルチョコの先を折らずに包みを剥がせるかということだけに夢中だったんだけど(笑)。だってフツーに包みを剥いちゃうと、必ずっていっていいほどチョコの先端部が折れて、包みの中に残っちゃうんだもの。あれは死活問題だった。なんとか手でほじくり出した暁には、手も口の周りも薄汚くチョコまみれになっちゃって、オシャレもへったくれもあったもんじゃなかった^^;


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不二家のポップキャンディ [食]

ポップキャンディ1959年.jpg 先日紹介したサクマ&サクマ式ドロップスは昭和の全世代に愛されたアメだったけど、戦後の昭和世代にとって忘れられないアメといったら、先ず間違いなく不二家の『ポップキャンディ』だろう。
 ポップキャンディは昭和29年(1954)年に誕生した。50年以上の歴史があったなんて、ちょっと意外な気もするね。
 ラップを剥がすと、紙棒の先に付いた丸く平べったいキャンディが顔を出す。表面にはペコちゃんやポコちゃんの顔が浮き上がっていて、舐めるとその部分が少しザラザラした感触があったでしょ♪ しばらく口に突っ込んで凸凹感がなくなったころに口から出してみると、今度はキャンディの向こうが透けてみえるぐらいに薄くなってるんだ。そしてキャンディが紙棒から外れると、残りはガリガリと噛み砕く。これがぼんくら少年の楽しみ方だった。初めっからガシガシと歯を立てる気の短いのもいれば、最後の最後まで口の中で溶かすのんびり派までタイプもいろいろで、食べ方を見れば友達の気質がよく分かって面白かったなぁ!
ポップキャンディ1970年.jpg 先の「紙棒」という記述に違和感を感じた人がいるかもしれないね。実はポップキャンディの製造に際して不二家が最も苦心したのは、棒の部分だったのだ。
 発売当初はプラスチック製だった棒を紙製に切り替えたのは、子供たちの安全を考えてのことだった。棒付きキャンディは口に咥えたまま転倒したりすると、棒が凶器となる恐れがあり、力が加わった時にカンタンに折れたり曲がったりする紙棒はリスクを回避する最もベストな方法だったのだ。
 でも、当時の技術で紙スティックを作るのは容易じゃなかった。最新鋭の機械を輸入して技術者も招き万全の体制で製造に臨んだのに、機械は故障するわ、不良品は大量に出るわの大苦戦。紙と糊はとても繊細な材料で、海外で作られた機械では日本の気温や湿度での調整が思いのほか難しかったのだ。結局は何年もの時間と労力をかけて国産の紙スティック製造機を開発し、9年後の昭和38年(1963)年になってようやく紙棒による本格的な生産をスタートさせることができた。
ポップキャンディ1982年.jpg ところで、キャンディのカッティングや型抜き、仕上げなどをオートメーション化して大量生産できるようになったのは昭和50年(1975)以降。それ以前は、棒を刺す工程も包装もすべて手作業だったんだよ。
 昭和57年(1982)に楕円形に形を変えた以外は、ボクらがペロペロ舐めていた頃と何も変わっていないポップキャンディ。たまには思い出してペロペロしてみたら? あ、咥える時はヨダレに気を付けてね(笑)

関連記事: ペコちゃんとポコちゃんの秘密を探る


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