『赤チン』は元気な子どもの印だった

　擦りむいた膝小僧や肘を真っ赤に染めて走り回る少年少女たち。と言っても血まみれの姿じゃないよ。傷口に『赤チン』を塗った子供たちの様子だ。
　赤いヨードチンキの短縮形が赤チンなわけで、正式名称はマーキュロクロム液だ。マーキュロクロムは青緑色あるいは緑がかった赤褐色の物質で、水銀を含んだ劇薬だ。道理で塗ったところに日が当たるとキラキラ光ったわけだ。
「えー、水銀！？　劇薬！？」
　そう思うかも知れないけど、傷口に塗っても体内に入り込む量は極めて少ない。液自体の濃度が低いために毒性も少なく、ゴクゴク飲んだりしなければ安全だと言われている。
　赤チンは大正８年(1919)アメリカの医師ヒュー・ヤングによって開発さた。手軽さと確実な効き目が評価されて世界中の家庭の常備薬として愛用されていたんだけど、日本では、作る際に水銀が発生することから昭和48年(1973)年に製造が中止され、さらに平成２年(1990)にアメリカの食品医薬局(FDA)によって水銀中毒の危険性が指摘されたことから、今度は使用が控えられるようになった。それでも人気は根強く、『マキロン（第一三共ヘルスケア）』が主流となった現在でも、海外で製造した原料を輸入することで各社から販売されている。
　水銀中毒の指摘については嫌疑が晴れつつあるものの、製造段階で水銀汚染の恐れがあるものを海外で製造させれば問題ないってのは何だかねぇ。水銀自体を扱うことが問題なら蛍光灯なんか使っちゃいけないわけだし、蛍光灯の生産・回収が問題なく機能しているのなら、しかも需要があるのなら、しっかりした体制の下で国内生産を再開すべきだとも思うんだけど。
　間違いなく言えるのは、元気に外で遊び、生傷の絶えなかった昭和の子供たちを細菌から守ってくれたのが赤チンだったということだ。環境保護に熱心な方にお叱りを受けるのを覚悟でぼんくらオヤジは言いたいと思う。赤チンよ、ありがとう！

■赤チンをモチーフにした東ハト・キャラメルコーンのＣＭ　1984年■

タグ：赤チン マーキュロクロム 水銀 ヒュー・ヤング マキロン

コメント 30

赤チンにはよくお世話になりました。傷口をまずオキシドールで猛烈に泡を吹かせてから赤チンの出番でした。
傷口にたっぷり塗って乾燥させると、玉虫のような濃緑色に輝いてました。これが傷に効くんだろうと思ってましたが、水銀がなんだかんだでこの赤チンも水っぽくなり濃緑色にも輝かなくなりなんだか頼りなく感じたものでした。
最近では赤チンはすっかりご無沙汰です。

透明のマキロンをシュｯシュとやるだけで済ましているようです。我が家のチビッコギャングも同様です。

by ファジー (2009-09-07 16:18) 

赤チンの「チン」は一体なんざんしょ？

と思ったら、しっかりと「ヨードチンキ」と書かれてました（笑）
毎度勉強させてもらってます^^

by Q (2009-09-07 16:22) 

＠ファジーさん、そうでした！　赤チンを語るにはオキシドールを抜かしちゃダメ
じゃないですかねぇ^^;　ったく、すっかり忘れてました。ナイス・フォロー
感謝です♪　今はホントにマキロンS一色ですね。便利なんですが、
性というか、なんか赤チンみたいに「塗ったぁ」って実感がないと不安なのは
モロに赤チン世代だからでしょうねぇ（笑）

by ぼんくらオヤジ (2009-09-07 17:06) 

＠Qさん、何の「チン」だと思ったんですか？
ん、あれかぁ？　「赤チン塗ってもなおらない～♪」 ﾌｫｰ♪♪♪

記事には書きませんでしたが、実は「赤いヨードチンキ」というのは２重の
間違いがあります。ひとつは赤チンとヨードチンキはまったくの別物である
ことです。ヨーチンはヨウ素をエタノールで溶かしたものですから。もうひとつは
赤チンもヨーチンも「チンキ」ではないことです。チンキとは、生薬や
ハーブの成分をエタノールかエタノールと精製水の混合液に浸すことで
作ったものを指しますが、マーキュロクロムはエタノールのような有機溶媒には
ほとんど溶けませんし、ヨーチンもエタノールを単に溶剤として使っているに
過ぎません。エラそうに講釈をたれてますが、この記事を書くにあたって
知ったことなんであしからず（笑）
by ぼんくらオヤジ (2009-09-07 17:24) 

オキシドールを耐えてこそ男！

と子供心に誓ってたです。はい。

こりゃ、田舎や空き地の多い所で遊んだ昭和のガキしか知らないかもしれませんが。
赤チンとい呼んでいた植物を思い出しました。
白っぽい葉と茎で、茎をポキッと折るとそこから赤チンそっくりの液が出てきて、、、
by ujiny (2009-09-07 18:36) 

赤チンは沁みなかったですが、ボクは原野をかけずり回っていて体中真っ赤になるので、その余りのもの凄まじさに母はあの、強烈に傷口に沁みるヨーチン（ヨードチンキ）に宗旨替えしました。
ボクの脚から腕は真っ赤っかから真っ黄っきになったのでありました。
by Mineosaurus (2009-09-07 19:15) 

オヤジは赤チンが使われなくなってから
ヨウチンを使ってました。
いつも半ズボンの膝にはカサブタと
ヨウチンで黄色に染まってたのが
私のトレードﾏｰｸですね。

中学時代は坊主頭が学校の規則だったので
同級生の傷でハゲになっている部分を
赤チンで塗るいたずらをして親を学校に
呼び出されたことがあります。
赤チンの赤色ってなかなか洗ったくらいじゃ
取れないのですよねｗ
by タラオのパパ (2009-09-07 20:02) 

今、東鳩キャラメルコーンのDVDを見させてもらいました。懐かしかったです。少し、古ぼけた感じが、また、いいです。

so-netブログも、ちょっと、HPのようで、つかいよさそう！今度、つくってみようかな０＾＾０

by 蓮坊ノンビイ (2009-09-07 20:25) 

赤チンが使われなくなった時代に育った若者ですから（笑）

まぁ、おしとやかな私は、生傷なんて縁がない物でしたが・・・
by さくら (2009-09-07 21:09) 

＠ujinyさん、気になりますねぇ、その植物。どなたか分かる人はいませんか？
そういえばイタドリ（スイバ・スカンポ）ってあるでしょ。折って囓ると酸っぱい
植物です。あれって、若葉を揉んで擦り傷に当てると止血効果があるみたい
ですね。痛みも和らぐそうで、それが「イタドリ」の由来なんだそうです。
by ぼんくらオヤジ (2009-09-07 21:28) 

＠Mineosaurusさん、ヨーチンをそんなに塗られたら痛かったでしょう^^;
ぼんくら母も、時折「こんなに酷い傷じゃ赤チンじゃ効かないねぇ」とか言って
思い出したようにヨーチンを引っぱり出してきましたねぇ。イヤなので逃げ
回ってましたが（笑）
by ぼんくらオヤジ (2009-09-07 21:29) 

＠タラオのパパさん、ヨーチンは染みるので、赤チンが使えなくなったと
知った時、ぼんくらは目の前が真っ暗になりましたね（笑）
塗られた時の痛さ、タラオのパパさんは平気だったんですか？

それにしても過激なイタズラをしたもんですねぇ（笑笑）
あれってホントに取れないんだもん！　一度、自分の鼻の頭に
塗って、何日も取れずに往生した記憶があります^^;
by ぼんくらオヤジ (2009-09-07 21:36) 

＠ノンビイさん、So-netブログは良くできていますよ♪　問題は、最近もそう
なんですが、接続が重くなることが多々あるんです。これさえなけりゃあ
インターフェイスも洗練されているし、イチオシなんですが^^;
by ぼんくらオヤジ (2009-09-07 21:42) 

＠さくらさん、百足競争に出てむち打ち症になるようなおしとやかな
母ちゃんは、赤チン風呂にどっぷり浸けて治療してあげたいです（笑）
つか、赤チンの似合う女の子はステキだってことですよ^^
by ぼんくらオヤジ (2009-09-07 21:54) 

私。。。


赤チンに
被れるんですＴоＴ～　　　なんでだろう。。泣
by peace9314 (2009-09-07 22:36) 

＠peaceさん、それは体質みたいですよ。水銀製剤に対して過敏
だと、は蕁麻疹用発疹、掻痒、紅班、小水疱などを発症するようです。
マキロンになってよかったですねぇ、安心して擦りむけます（？）
by ぼんくらオヤジ (2009-09-07 23:06) 

こんばんは～、
赤チンはお世話になりました（＾＾；
膝小僧、赤チン塗りすぎて軟骨減ったかな？
ウソ♪乾燥してカチカチになって痛かったな～…
もうすっかり忘れてました。今はもうほとんどサビオですよね。
by 牛子 (2009-09-07 23:15) 

@牛子さん、なんで赤チン塗ると軟骨が減るんスか（笑）
はいはい、傷口が乾燥するとカピカピに固くなって、
曲がって皮膚が伸びるところだと割れて来ちゃうんですよね。
痒くなったりするもんだから、それを自分でむしり取って
叱られてましたっけ^^;
しかしサビオとは通ですねぇ！　バンドエイドとかカットバンを
持ち出さないところが怪我慣れしてますねぇ（尊敬）


by ぼんくらオヤジ (2009-09-07 23:54) 

いつもコメントありがとうございます。
怪我をすると「赤チン塗って！」と親に言い、
悪い事をすると「ヨウチン塗るぞっ！」と良く言われました。
赤チンは塗る部分がマジックペンの先みたいになっていて傷に直接触れてたので、子供ながらにちょっと汚いと思っていました。
マキロンが出たときは親に「これは白チンと言うんだ」と言われました。
いつも懐かしく、そして勉強させて貰っています♪

by neko5 (2009-09-08 00:50) 

ぼんくらオヤジさん、おはようございます。
小さいころ、お風呂に入る時、
タオルを４・５本生傷に巻いてからじゃなきゃ、
お湯が沁みて湯船に入れなかったのを、
思い出しました。赤チンは戦友でしたね～
お世話になりました。
ちなみに、鉄ジョウモンの傷跡はいまだにあります。
by ケセパタちゃん (2009-09-08 07:01) 

＠nkeko5さん、こちらこそいつも楽しませていただいてます^^
そうでした、赤チンの中にはベロが付いていて、そこから液が滲みだす
タイプのがありましたね。あれは感心しませんでしたねぇ、携帯性が
あって便利ではありましたが^^;　ヨーチンで子供を脅かすのは
当時の大人の常套手段だったんでしょう（笑）　今のお利口さんな
子供たちからは想像もできないぐらい当時の子供はヤンチャでしたから^^
by ぼんくらオヤジ (2009-09-08 07:46) 

＠ケセパタちゃんさん、おはようございます♪　今日も名古屋は暑いですよ。
「赤チンは戦友」でしたか、いい言葉ですねぇ^^
ああ、そうでした。お湯が傷にしみて痛む感覚を思い出しました。
「汚いのを放っておいちゃダメ」
とか言われて、石鹸の付いたタオルやへちまなんかでゴシゴシされて
ギャーギャー泣いた記憶があります。ったく当時の大人は荒っぽかった
なぁ（笑）　鉄条網の傷跡って、結構派手に怪我をされたんですか？
あれは鋭利な切り傷にはならないので、傷跡が残りやすいのかも
しれませんねぇ^^;
by ぼんくらオヤジ (2009-09-08 07:56) 

1984年のCM懐かしいね
赤チンには本当にお世話になったね、小さな傷を大きく大袈裟にしてくれた赤チン
今でも使ってます
女なのに昔の古傷が沢山残ってます
身体にも心にも
何ちゃって～ポリポリ (・・*)ゞ
by みゆきママちゃん (2009-09-08 13:00) 

＠みゆきママちゃん、大人の魅力は古傷の多さに比例しますから、
そんだけみゆきママさんが魅力的だってことですよ^^
これからも懲りずに傷を増やしてください（笑）　
赤チンがあれば大丈夫だから♪
by ぼんくらオヤジ (2009-09-08 15:28) 

赤くなるのが楽しくて、膝に傷するたびに祖母の薬箱から出して塗ってました。
生まれる前に製造中止になってたとは・・・・（汗）
あれはいつの物だったんだろう？？

今の子はきっとかっこ悪いと言って使わないんだろうなぁ・・・。
by みおのとおちゃん (2009-09-10 23:48) 

妹は生傷の絶えない子どもだったので、姉の私はよく塗ってやっていました。
ついでに他の部分にお絵かきしたり、調子に乗って顔に猫のひげを描いたりしたら、父親にこっ酷く叱られました。
by 2601 (2009-09-11 00:13) 

＠みおのとおちゃん、製造は行われなくなりましたが、外国で作らせて
販売は続いて今日に至ってるんですよ♪　期限切れを塗られていたわけじゃ
ないと思いますので大丈夫！　たぶん…（笑）

今の子は嫌がると思いますよ、「ダセぇ～」って声が聞こえてきそうです^^;
by ぼんくらオヤジ (2009-09-11 10:53) 

2601さん、当時の親御さんは我々とは比べ物にならないぐらい真面目
でしたよね！　今なら笑われただけで済んだでしょうに（笑）

そういや、いつだったか中２の長男がサザエさんの波平お父さんを
「冷たい」と評して驚かされたことがありました。話を聞くと、クソ真面目で、
叱ったり厳しかったりするシーンにそういう印象を持ったらしいのですが、
そこに愛情や温かさを感じないのだと知って愕然としました。なにか
我が子との接し方に問題があるんですかねぇ？　^^;
by ぼんくらオヤジ (2009-09-11 11:05) 

えー、サザエさん家ってカツオの宿題までみんなしてやってやってて、なんて激甘なんだと思ってたくらいです。
by 2601 (2009-09-12 13:33) 

＠2601さん、そうですよねぇ、ぼんくらもそう思っていたんで
長男の反応にびっくりしたんです。それで改めて聞いてみたら、
そういう甘さは分かっているようなんですが、それと波平父さんの
言動は別と考えているようです。言葉じゃ厳しくてもホントは優しい
って解釈はしないようです。ある意味手厳しいですね^^;
by ぼんくらオヤジ (2009-09-12 15:38)