万能駄菓子『あんずボー』 [食]
ぼんくら少年が不思議に思っている駄菓子があった。もっぱら女の子が買って、男の子はあまり手をつけないものがあったのだ。この駄菓子、『あんずボー』といって、種を抜いた干しあんずを甘いシロップで漬け込んだものだ。味はまさにあんずをシロップで漬けた味で(笑)、スティック状の袋を歯でちぎると甘酸っぱい風味が口いっぱいに広がった。ぼんくら少年は大好きだったので道ばたで食べてると、
「ぼんくらぁ! また女の食い物、食ってんのかよぉ」
なんて友達にバカにされるんだよね。ぼんくら少年も負けてないから、
「うっせーな、お前の服で手ぇ拭いちゃうぞ~」
って手を伸ばすと、みんなが蜘蛛の子を散らしたように逃げてくんだよね。この駄菓子を食べると、どんなに気をつかってもシロップで手がベタベタになっちゃう。そんな手で触られたら目も当てられないことはみんなが知っていたんだ。
夏なんかは冷凍して、シャーベットにして食べると最高に美味しかった。逆に、冬場はコップに空けて熱いお湯を注ぐと、あんずの香り漂うホット・ドリンクに変身した。妙な添加物が入っていないので、食べ手の工夫ひとつでどんなふうにも楽しめたのだ。
あんずボーは東京の西浅草にあるあんず専門の加工メーカー『港常(ミナツネ)』で作られている。創業当初から作られている駄菓子ということなので、なんと誕生は大正4年(1915)ということになる。かつては信州産のあんずを使用していたけど、現在はすべてをアメリカや中国から輸入しているそうだ。作業工程は、パッケージング以外は発売当初から変わっておらず、8割方が手作業とのこと。種抜きなどは30年選手のベテラン従業員が熟練の技で行うんだけど、まれに種の入ったままの状態で出荷されちゃうのもあるらしい。そういやそんなのがあったような気がする(笑)。なんか人の温もりを感じていいよね。シロップとあんずが馴染むまでに1週間はかかるので、出荷したてのものよりはちょっと古い物のほうが美味しいとも。ならメーカーで1週間寝かした商品を発送すればよさそうなもんだけど、そこまで気を遣わない大雑把さもいい。 肩肘を張らない在り様で90年以上も同じ味を守り続け、子供たちに親しまれてきたあんずボーは、注目を浴びることなく平成の子供たちにもバトンタッチされている。
「ぼんくらぁ! また女の食い物、食ってんのかよぉ」
なんて友達にバカにされるんだよね。ぼんくら少年も負けてないから、
「うっせーな、お前の服で手ぇ拭いちゃうぞ~」
って手を伸ばすと、みんなが蜘蛛の子を散らしたように逃げてくんだよね。この駄菓子を食べると、どんなに気をつかってもシロップで手がベタベタになっちゃう。そんな手で触られたら目も当てられないことはみんなが知っていたんだ。
夏なんかは冷凍して、シャーベットにして食べると最高に美味しかった。逆に、冬場はコップに空けて熱いお湯を注ぐと、あんずの香り漂うホット・ドリンクに変身した。妙な添加物が入っていないので、食べ手の工夫ひとつでどんなふうにも楽しめたのだ。
あんずボーは東京の西浅草にあるあんず専門の加工メーカー『港常(ミナツネ)』で作られている。創業当初から作られている駄菓子ということなので、なんと誕生は大正4年(1915)ということになる。かつては信州産のあんずを使用していたけど、現在はすべてをアメリカや中国から輸入しているそうだ。作業工程は、パッケージング以外は発売当初から変わっておらず、8割方が手作業とのこと。種抜きなどは30年選手のベテラン従業員が熟練の技で行うんだけど、まれに種の入ったままの状態で出荷されちゃうのもあるらしい。そういやそんなのがあったような気がする(笑)。なんか人の温もりを感じていいよね。シロップとあんずが馴染むまでに1週間はかかるので、出荷したてのものよりはちょっと古い物のほうが美味しいとも。ならメーカーで1週間寝かした商品を発送すればよさそうなもんだけど、そこまで気を遣わない大雑把さもいい。 肩肘を張らない在り様で90年以上も同じ味を守り続け、子供たちに親しまれてきたあんずボーは、注目を浴びることなく平成の子供たちにもバトンタッチされている。
すみません・・・これは全く知りません。関西では見た事もありませんでした。(私だけかなあ?)
・・・駄菓子菓子、合成着色・合成甘味料が横行していた昭和40年代においては、これはかなりの健康食品といってもよいですね。
by ファジー (2009-10-01 16:37)
私も知りませんでした。
関西では扱ってなかったのかもしれません。
メーカーの生産能力の関係上、駄菓子ってある程度地域性がありますよね。
by ixion (2009-10-01 19:53)
@ファジーさん、やっぱり大阪じゃ出回ってませんでしたか^^;
実をいいますと、あんずボーは関東以北の駄菓子だっていう
情報があったんです。
ホントに変な添加物の入っていない良心的なお菓子でしたよ♪
合成甘味料も保存料も使わずにこれたのが誇りだと3代目の
社長さんが仰ってます^^
by ぼんくらオヤジ (2009-10-01 20:59)
@ixionさん、メーカーの社長さんのお話では、
あんずが大阪以西ではウケなかったんじゃないかって
言ってますが、どんなもんでしょうか?
by ぼんくらオヤジ (2009-10-01 21:01)
熊本にもありましたよ :-)
何だかなつかしいですね
by s-img (2009-10-01 21:03)
@s-imgさん、熊本にはありましたか!
どういうルートかは皆目見当もつきませんが、
飛び飛びで四散してる感じですね(笑)
by ぼんくらオヤジ (2009-10-01 22:36)
おはようございます。知ってます。あんず棒。
でも、いろんな食べ方があるとは、知りませんでした。
勉強になりました~
ちなみに、マンボ菓子、娘のバックに入ってました。
23歳にもなって、こじゃれたお菓子より、う~マンボ!
ですって!教育を間違えたかな?
by ケセパタちゃん (2009-10-02 06:06)
熊本もあったような・・・
食べたことないです。
by 空楽 (2009-10-02 13:55)
@ケセパタちゃんさん、素晴らしいですねぇ、娘さん(笑)
よくしょっぴんぐもーるなんかに特設で駄菓子コーナーが
できることがあるじゃないですか。そういう時に見てると
よく分かりますが、若い女の子は好きですよねぇ^^
子供たちの次に多い客層じゃないんでしょうか?
by ぼんくらオヤジ (2009-10-02 15:42)
@空楽さん、s-imgさんがご存知だったところをみると、
熊本にはあったようですよ。でもメジャーな駄菓子じゃ
なかったってことかな^^;
by ぼんくらオヤジ (2009-10-02 15:44)