魚肉ソーセージ - 大衆食から安全食へ [食]
先の記事でハンバーグを話題したところ、逆に魚肉ソーセージのコメントが少なからず寄せられた。当時はハンバーグが高級品で口に入らず、むしろ魚肉ソーセージのほうに親しみを感じていたというのだ。
「なるほど、そうだったなぁ」
と思って調べてみたら、面白いことが分かった。
ここ20年の国内生産量は年に5~8万トンの間で推移している魚肉ソーセージ(魚肉ハムも含む)だけど、ピークだったのは昭和47年(1972)の18万トン。コメントを寄せてくださった方の多くが1960~1980年代に少年少女だったこととデータがキレイに重なる。家庭の食卓やお弁当、おやつの代わりにと、魚肉ソーセージは昭和の一時期を象徴する大衆食だったのだ。
魚肉ソーセージの歴史もユニークだ。なんと開発が官主導で開発で行われたのだ。話は大正時代にさかのぼる。当時、冷蔵冷凍設備の乏しい環境で保存のきく魚肉食品の開発は、海洋資源に恵まれた日本にとって、明治以来の富国強兵&殖産興業に則る国策だったといっていい。では、なぜソーセージだったのか。これは定かではないが、畜産業がなかなか振興しない中で食の欧米化が進んでいたことが背景にあったのは確かなようだ。事実、魚肉ソーセージと並行して魚肉ハムの開発も行われている。開発母体となったのは各地の水産試験場だ。
これも理由は分からないけど、戦前に実用化されたのは今ではほとんどお目にかかれない魚肉ハムのほうで、魚肉ソーセージが試作に成功したのは昭和24年(1949)。全国販売にこぎつけたのは昭和27年(1952)だ。そして折も折、昭和29年(1954)に第五福竜丸で知られるビキニ環礁の水爆実験が行われ、放射能汚染を嫌気して発生した大量の余剰マグロに困り果てた水産各社は、マグロを主原料とした魚肉ソーセージの生産と拡販に全力を注ぐことになる。これが魚肉ソーセージを国民食に押し上げた直接の理由といっていいだろう。
昭和47年(1972)のピーク後間もなく、昭和49年(1974)に保存料として添加されていたフリルフラマイドの発がん性が指摘されて生産量は12万トンに激減。さらに昭和51年(1976)には米ソによる排他的経済水域を宣言する200海里問題が発生し、マグロに代わって主原料になっていたスケソウダラの価格が高騰して、魚肉ソーセージは決して安価なタンパク源ではなくなってしまう。さらに冷蔵庫の普及による食肉の浸透も手伝って、平成2年(1990)には現在と変わらぬ生産量にまで落ち込んでしまった。
でも存在価値がなくなってしまったかというと、全然そうじゃないんだな。低カロリー・低脂肪・高タンパクという特性が健康志向の消費者に見直されるようになったうえに、BSEや鳥インフルエンザなどによる食肉への不安という点からも、安全性の高い魚肉ソーセージは脚光を浴びているのだ。幾多の試練を経て、魚肉ソーセージは平成の国民を守る安全食品に成長したのだ。
「なるほど、そうだったなぁ」
と思って調べてみたら、面白いことが分かった。
ここ20年の国内生産量は年に5~8万トンの間で推移している魚肉ソーセージ(魚肉ハムも含む)だけど、ピークだったのは昭和47年(1972)の18万トン。コメントを寄せてくださった方の多くが1960~1980年代に少年少女だったこととデータがキレイに重なる。家庭の食卓やお弁当、おやつの代わりにと、魚肉ソーセージは昭和の一時期を象徴する大衆食だったのだ。
魚肉ソーセージの歴史もユニークだ。なんと開発が官主導で開発で行われたのだ。話は大正時代にさかのぼる。当時、冷蔵冷凍設備の乏しい環境で保存のきく魚肉食品の開発は、海洋資源に恵まれた日本にとって、明治以来の富国強兵&殖産興業に則る国策だったといっていい。では、なぜソーセージだったのか。これは定かではないが、畜産業がなかなか振興しない中で食の欧米化が進んでいたことが背景にあったのは確かなようだ。事実、魚肉ソーセージと並行して魚肉ハムの開発も行われている。開発母体となったのは各地の水産試験場だ。
これも理由は分からないけど、戦前に実用化されたのは今ではほとんどお目にかかれない魚肉ハムのほうで、魚肉ソーセージが試作に成功したのは昭和24年(1949)。全国販売にこぎつけたのは昭和27年(1952)だ。そして折も折、昭和29年(1954)に第五福竜丸で知られるビキニ環礁の水爆実験が行われ、放射能汚染を嫌気して発生した大量の余剰マグロに困り果てた水産各社は、マグロを主原料とした魚肉ソーセージの生産と拡販に全力を注ぐことになる。これが魚肉ソーセージを国民食に押し上げた直接の理由といっていいだろう。
昭和47年(1972)のピーク後間もなく、昭和49年(1974)に保存料として添加されていたフリルフラマイドの発がん性が指摘されて生産量は12万トンに激減。さらに昭和51年(1976)には米ソによる排他的経済水域を宣言する200海里問題が発生し、マグロに代わって主原料になっていたスケソウダラの価格が高騰して、魚肉ソーセージは決して安価なタンパク源ではなくなってしまう。さらに冷蔵庫の普及による食肉の浸透も手伝って、平成2年(1990)には現在と変わらぬ生産量にまで落ち込んでしまった。
でも存在価値がなくなってしまったかというと、全然そうじゃないんだな。低カロリー・低脂肪・高タンパクという特性が健康志向の消費者に見直されるようになったうえに、BSEや鳥インフルエンザなどによる食肉への不安という点からも、安全性の高い魚肉ソーセージは脚光を浴びているのだ。幾多の試練を経て、魚肉ソーセージは平成の国民を守る安全食品に成長したのだ。
■ニッスイ・メモルソーセージのCM 1984年■
■魚肉ソーセージの歌■
魚肉ソーセージは安物だったかも知れないけれど
うまかったナーーー!
by 斗夢 (2009-09-03 18:31)
昭和30年代中頃の魚肉ソーセージは、庶民のものとは思えませんねえ。1本35円か65円のどちらかでした。
現在だと1本500円くらいの換算になるでしょうか。
大卒の初任給が2万くらいの頃でした。
私は今でも魚肉ハムの野菜サンドが好きです。
※先日のお返事をこちらでしますね。
クレヨンまあちゃんは、現在も口笛を吹けません。
指笛もできません。(悲しい)
by tateichi (2009-09-03 19:22)
チクロ入りでも問題になったと思うけど……よく食べてました。
子供のときは何にも気にしてなかった……今もよく食べます。
by ねこのこね (2009-09-03 20:55)
魚肉ソーセージ丸ごと1本に串挿して、ホットケーキミックスの衣を付けて揚げるのです。
これも、うまかったなぁ。
by ujiny (2009-09-03 21:38)
斗夢さん、美味しいですよね、魚肉ソーセージ♪
手軽で保存がきく上に、どんな料理にも放り込めますし。
なんとなれば皮をむいてパンにはさめばお手軽サンドが
できちゃいますもんね^^
by ぼんくらオヤジ (2009-09-03 22:01)
tateichiさん、ちょっと粗い調べ方なんで、後日ちゃんとした数字を
出したいと思いますが、ある時期から急に安くなってるようですね。
昭和45年のチラシに3本70円という数字を見つけましたが、これだと
昭和40年代の4倍原則で現在の物価に引き直して1本90円強って
ことになります。tateichiさんのお話と総合しますと、短期間に需要が
伸びて、急激に単価が下がっていった様子がうかがえますね♪
口笛が吹けないとつまらないですよねぇ^^; 息子たちにもバカにされるし。
一度でいいから口笛を吹いてカッコつけてみたいもんで(笑)
by ぼんくらオヤジ (2009-09-03 22:33)
ねこのこねさん、チクロがありましたね^^ もっともチクロは当時、
たいていの食品に使われていたものだったので、特定の商品が
バッシングを受けることはありませんでした。ある時期の昭和生まれは
少年少女時代に既に薬漬け状態だったんですよね。だから西丸
震哉のように、その世代の平均年齢は50そこそこじゃないかなんて
予想している人もいるぐらいです。もしそうなら、ぼんくらもメタボを
気にせずに好きなだけ食べようかと思いますが(笑)
by ぼんくらオヤジ (2009-09-03 22:42)
ujinyさん、串揚げのソーセージ、美味いですよね!
あれって、衣にもソーセージから味がよく染みて
どっちも美味しんですよねぇ^^ 明日作ろうかな♪♪♪
by ぼんくらオヤジ (2009-09-03 22:47)
急に
ソーセージが食べたくなりました♪
コンビニに行ってきまーーーす┌(Y ^ ^ Y)┘(笑)
by peace9314 (2009-09-03 23:12)
peaceさん、あ″~太るから肥るから…って、行っちゃったよ^^;
by ぼんくらオヤジ (2009-09-03 23:47)
ソーセージって男性の方が好きな人多いんじゃないでしょうか?
スーパーでカゴに入れるのは旦那です(汗)
と言いましても、
サラダなど魚肉ソーセージじゃなきゃ絶対ダメというものありますね☆
市販の調理パンで、あらびきでなく魚肉を使ってるのを見つけると思わず手がでます(笑)
でも…ここの画像のソーセージには手が出ません!考えすぎ?(--;
by 牛子 (2009-09-03 23:58)
ぼんくらオヤジさん。おはようございます。
マリオPAPAの中学時代のお弁当のおかずで多かったのは、魚肉ソーセージとピーマンの炒め物だったそうです。ちなみにサンバルや、タバスコでいただくとおつまみになります。
by ケセパタちゃん。 (2009-09-04 06:52)
牛子さん、ぼんくら家では主に弁当用&非常用に買い置きしてあるので
男女差はよく分かりませんが、ぼんくらオバンは「好きでも嫌いでもない」
そうです。ぼんくらもそうかな。大好物じゃないけど、嫌いかって聞かれりゃ
Noですね。不思議な個性のある食品ですねぇ!
(業務連絡)…もう少し旦那様に可愛がってもらいなさいって! ^^;;;
by ぼんくらオヤジ (2009-09-04 07:45)
可愛い歌声をありがとぉ~♪
懐かしいですねぇ~(^-^)
母が斜めに切って卵とよく
炒めてたよ。。。
by 93chan (2009-09-04 07:48)
ケセパタちゃんさん、ぼんくらもマリオPAPAさんとまったく同じですね♪
なんでピーマンだったんだろう(笑) お約束でしたね、あれ。
サンバルやタバスコですか、辛いのがいいんですね。この場合は
ソーセージは生ですか? それとも調理するんですか?
by ぼんくらオヤジ (2009-09-04 07:54)
93chanさん、あ~、斜め切りの魚肉ソーセージのタマゴ炒めですね♪
ケチャップが添えてあったりして。懐かしいなぁ、思い出しましたよ^^
今でもそうだと思いますが、魚肉ソーセージはお弁当と切っても切れない
存在ですね!
by ぼんくらオヤジ (2009-09-04 08:00)
初めまして。
昨日は訪問下さいましてありがとうございました。
子供の頃、魚肉はおやつでした ♪
金属で絞ってある部分を口で咥えて、
グリグリ回しながら破って・・・
最近は、滅多に食べなくなりましたが懐かしいです。
ちょっと前の記事の「昭和顔」
最近の子供はイケメンが多いなと感じています。
昭和とは明らかに違うな~と
足も長くてスラーっとしているし、
アラフォーの私の世代と何が違うんだろう。
食べ物の違いかな~なんて。思ったりもしています。
by わか (2009-09-04 08:20)
わかさん、金属の金具を咥える時、アルミ箔を噛んだ時と似たような
ミョーな感触がありませんでしたか? ぼんくらはそんな気がしてから
金具の部分はナイフで落とすようになりました^^;
昭和顔のお話ですが、明らかに違ってきてますね。男も女も。スターの
ブロマイドを見れば一目瞭然です。もしかすると、美意識や化け方といった
社会的な理由である可能性もあるのでカンタンには言えませんが。いい例が
足の長さなんですが、身長の平均はたしかに伸びていて、必然的に
足も長くなるんですが、身長と股下の長さの比率である股下率は
なんと昭和30年代から平成の今に至るまでほとんど変わっていないんです。
むしろ逆に成人は年齢が下がると共に股下率も下がる傾向に転じている
というデータもあるぐらいです。ちなみに現在の男女成人の股下率は
45.5%。1970~80年代は45.7%でした。どちらも胴長短足
なんですが、恐るべきことに少しずつ足が短くなってきています。
日本人、危うし!
by ぼんくらオヤジ (2009-09-04 13:47)