昭和と平成をつないだ冷凍みかんのお話 [食]
先の記事に登場した『冷凍みかん』。ぼんくらオヤジは旅行しか連想できなかったんだけど、
「給食にもよく出ていたね」
というご指摘を頂いた。確かにそうでした! 相方のぼんくらオバンに、冷凍みかんから何を想像するかを尋ねたら、あっさり
「給食~」
という答えが返ってきた。中2と小5の息子達にも聞いたところ、覚えていないとのこと。地域差はあるだろうけど、今の子供達には、あまり馴染みのある食品じゃないみたい。してみると、昭和40年代の子供達と冷凍みかんの関わりは特別なものだと言っていいだろう。
冷凍みかんが世に出たのは昭和30年。当時は季節商品だったみかんだけど、これを1年中食べられるようにと、マルハ(当時の大洋漁業)と鉄道弘済会が共同で開発したのが冷凍みかんだった。
「“開発”だなんて大袈裟だなぁ。みかんを冷凍しただけでしょ」
と思うかもしれないけど、これがそうじゃないんだな。
みかんをそのまま冷凍すると、凍って膨張した水分が細胞膜を破ってみかんの外に出てしまい、本体がパサついてしまうのだ。これを防ぐために試行錯誤を重ねた結果、急速冷凍して水に浸けるという行程を繰り返して、みかんの表面に氷の膜を作るというアイデアが誕生した。冷凍みかんの皮をむくときにパラパラと落ちた氷は、こうしてわざと付けられたものだったわけだ。
使用するみかんも特に甘みの強い品種を選んである。シャーベット状のものを食べるため、普通のみかんでは甘みが貧弱に感じられてしまうためだ。しかも、みかんは低温で寝かすと甘味が増すという不思議な特性をもっていて、甘味の強いみかんは更に甘味を増し、冷凍みかんの風味を更に良くしてくれる。
道理で、家の冷蔵庫で同じものが出来なかったわけだ。駅で売ってるのは凍っていてもサクサクと食べられるのに、ただ冷凍したものはカチンカチンに凍って、歯が立たないどころか皮すらむけなかったもんな。いや、待てよ。駅で買ったものも、まれにカチンカチンのものがあったぞ。
そんなことを思い出しながら資料を集めていたら、面白いことを知りましたぜ!
「あんまり食べると胃腸が冷えてお腹をこわす」
こんな類のことを大人から言われた記憶ってない? ぼんくらオヤジは、よく母親から言われたなぁ。食い意地がはってたから無理もないんだけど(笑)。これが間違いってワケじゃないんだけど、製造方法に欠陥のある業者がいたり、一度溶けちゃったものを再冷凍する売店もあったりで、お腹に入る時点で品質に問題のあるものも少なからずあったらしい。買った時点でカチカチだった冷凍みかんは、これだったんじゃないかなぁ(恐怖)。
冷凍みかんの製造出荷は昭和40年代にピークを迎え、その後はアイスクリームや缶入り飲料などにシェアを奪われて急速に売り上げを落とし、我々の記憶から消えていく。
それが近頃、スーパーの冷凍食品売り場に復権しているという話をぼんくらオバンから聞き、早速、近所のAPITAに行ってみた。ありましたありました! コーナーの一角に山のように積まれていたよっ(喜)。いつ頃から扱い始めたのか店員さんに質問してみたんだけど「分からない」とのこと。帰宅して調べてみたら、どうやら2006年にマイナー・ヒットした『冷凍みかん』という曲が火付け役になったようだ。2005年には年間90万個だった売り上げが、2006年には200万個近くに急上昇してるし。ピーク時の1000万個には遠く及ばないけど、たったひとつの曲で復権を果たせたのは、それだけ今のお父さん&お母さんの記憶に焼き付いていた食べ物だったからなんだろう。
「スーパーの冷凍みかんを買ってきたか」
だって? もちろん買ってきましたとも! 地味な味わい。だけど氷の中にお日様の匂いがしっかりと封じ込まれていたよ♪ 売店のガラス・ケースからみかんを取り出した時のワクワクした気持ちや、曇った車窓を皮で拭いて叱られたこと、みかんの嫌いな友達が給食に出た冷凍みかんを机に隠して、教科書やノートをビシャビシャに濡らしたこと等々、次々に記憶が甦ってきた。味覚って凄いね!
「給食にもよく出ていたね」
というご指摘を頂いた。確かにそうでした! 相方のぼんくらオバンに、冷凍みかんから何を想像するかを尋ねたら、あっさり
「給食~」
という答えが返ってきた。中2と小5の息子達にも聞いたところ、覚えていないとのこと。地域差はあるだろうけど、今の子供達には、あまり馴染みのある食品じゃないみたい。してみると、昭和40年代の子供達と冷凍みかんの関わりは特別なものだと言っていいだろう。
冷凍みかんが世に出たのは昭和30年。当時は季節商品だったみかんだけど、これを1年中食べられるようにと、マルハ(当時の大洋漁業)と鉄道弘済会が共同で開発したのが冷凍みかんだった。
「“開発”だなんて大袈裟だなぁ。みかんを冷凍しただけでしょ」
と思うかもしれないけど、これがそうじゃないんだな。
みかんをそのまま冷凍すると、凍って膨張した水分が細胞膜を破ってみかんの外に出てしまい、本体がパサついてしまうのだ。これを防ぐために試行錯誤を重ねた結果、急速冷凍して水に浸けるという行程を繰り返して、みかんの表面に氷の膜を作るというアイデアが誕生した。冷凍みかんの皮をむくときにパラパラと落ちた氷は、こうしてわざと付けられたものだったわけだ。
使用するみかんも特に甘みの強い品種を選んである。シャーベット状のものを食べるため、普通のみかんでは甘みが貧弱に感じられてしまうためだ。しかも、みかんは低温で寝かすと甘味が増すという不思議な特性をもっていて、甘味の強いみかんは更に甘味を増し、冷凍みかんの風味を更に良くしてくれる。
道理で、家の冷蔵庫で同じものが出来なかったわけだ。駅で売ってるのは凍っていてもサクサクと食べられるのに、ただ冷凍したものはカチンカチンに凍って、歯が立たないどころか皮すらむけなかったもんな。いや、待てよ。駅で買ったものも、まれにカチンカチンのものがあったぞ。
そんなことを思い出しながら資料を集めていたら、面白いことを知りましたぜ!
「あんまり食べると胃腸が冷えてお腹をこわす」
こんな類のことを大人から言われた記憶ってない? ぼんくらオヤジは、よく母親から言われたなぁ。食い意地がはってたから無理もないんだけど(笑)。これが間違いってワケじゃないんだけど、製造方法に欠陥のある業者がいたり、一度溶けちゃったものを再冷凍する売店もあったりで、お腹に入る時点で品質に問題のあるものも少なからずあったらしい。買った時点でカチカチだった冷凍みかんは、これだったんじゃないかなぁ(恐怖)。
冷凍みかんの製造出荷は昭和40年代にピークを迎え、その後はアイスクリームや缶入り飲料などにシェアを奪われて急速に売り上げを落とし、我々の記憶から消えていく。
それが近頃、スーパーの冷凍食品売り場に復権しているという話をぼんくらオバンから聞き、早速、近所のAPITAに行ってみた。ありましたありました! コーナーの一角に山のように積まれていたよっ(喜)。いつ頃から扱い始めたのか店員さんに質問してみたんだけど「分からない」とのこと。帰宅して調べてみたら、どうやら2006年にマイナー・ヒットした『冷凍みかん』という曲が火付け役になったようだ。2005年には年間90万個だった売り上げが、2006年には200万個近くに急上昇してるし。ピーク時の1000万個には遠く及ばないけど、たったひとつの曲で復権を果たせたのは、それだけ今のお父さん&お母さんの記憶に焼き付いていた食べ物だったからなんだろう。
「スーパーの冷凍みかんを買ってきたか」
だって? もちろん買ってきましたとも! 地味な味わい。だけど氷の中にお日様の匂いがしっかりと封じ込まれていたよ♪ 売店のガラス・ケースからみかんを取り出した時のワクワクした気持ちや、曇った車窓を皮で拭いて叱られたこと、みかんの嫌いな友達が給食に出た冷凍みかんを机に隠して、教科書やノートをビシャビシャに濡らしたこと等々、次々に記憶が甦ってきた。味覚って凄いね!
■昭和生まれも平成生まれも冷凍みかんがお好き♪■
いまでもあるんですね、冷凍ミカン。
こんど買いに行こうっと :-)
by s-img (2009-07-02 19:38)
製品のは給食で食べたことしかないですね~。
ただ、親に叱られずに冷凍みかんを食べるため、
冬時期の箱買いしたみかんを何個か持ち出して、
自宅付近に作ったかまくらの外壁にこぶしで穴をあけ、
みかんを1つ1つ埋めて雪を被せて作りました。
積雪寒冷地で気温がマイナス20度以下になることも珍しくなかったので
外気に当たるようだとカチコチで食べられなくなることを身をもって体験し、
知っていたので自力であみ出した方法です。
ただし・・・・1つくらい忘れて春に出てくることも・・・(笑)
by みおのとおちゃん (2009-07-02 21:06)
s-imgさん、ありましたよ♪ しかもどっさり!
記憶通りの味でした(嬉々)。
ぜひどうぞ~
by ぼんくらオヤジ (2009-07-02 21:52)
みおのとうちゃんは、かまくらで冷凍みかんを
密造したんですか。ワイルドだなぁー(笑)。
しかも製造法を自力で開発したってのが秀逸!
もしかすると冷凍みかんの開発陣の中に
みおのとおちゃんと同郷の人がいたかもしれませんねぇ(^^)
by ぼんくらオヤジ (2009-07-02 21:58)
そう言えば、昔冷凍みかんを食べていた記憶はありますね。でも確かに最近は食べなくなりましたね。でも今でも売ってるんですね。ちょっと僕も探してみようかな。
by 井上酒店 (2009-07-02 23:29)
井上酒店さん、nice&コメント感謝です♪
考えてみれば、栄養や食の安全の面からも大変に優れた氷菓だったと思うんです。
昨晩、子供達にも食べさせてみたんですが、大変に好評でしたよ(^^)。
右肩上がりの成長を続けてきた以前の日本では、過去を振り返る行為自体が
「後ろ向き」というマイナス評価に曝されましたが、地に足のついた暮らしに軸足が
シフトし始めた昨今では、過去の再評価が深い意味を持つんじゃないかって、
家族で冷凍みかんを食べながら思いました。
by ぼんくらオヤジ (2009-07-03 08:26)
給食で好きだったのは、”冷凍みかん” と
”くじら” でした♪ ヾ(^▼^*)ノ
by ダー (2009-07-03 08:27)
ダーさん、さすがですねぇ(^^)
鯨肉がありました! これって当時を語る上での
必須食材でしたね。これも取り上げなきゃ♪
思い出させてくださって感謝です!
by ぼんくらオヤジ (2009-07-03 12:16)
昭和32年、初めて上京したときたらふく食べて
戻した記憶があります(アセ)。確か、準急で4時間
掛かったと思います。
by Cyoroshi (2009-07-03 14:23)
Cyoroshiさん、nice&コメントありがとうございます♪
食べ過ぎてゲェ~ですか(笑)、4時間の間にいくつ食べたんでしょうね(^^;;;
あれって、みかんの常というべきか、食べ出すと止まらないですよね!
by ぼんくらオヤジ (2009-07-03 15:15)
30年近く前、上京、帰省の列車に乗るときよく買ってたなぁ〜。
車中しばらくするとほどよく解凍され食べ頃に……
味の記憶が全くない……
by ねこのこね (2009-07-03 18:17)
ねこのこねさん、nice&コメント感謝です♪
そうそう、好みの解凍具合っていうのがあるんですよね。
ぼんくらはせっかちなので、買ってすぐに食べちゃいました(^^;
味の記憶って、食べた時に甦るもののようで、
ぼんくらも先だって食べた時に、
「あっ、これこれっ!」
って感じでしたよ。体が覚えてるみたいですね。
by ぼんくらオヤジ (2009-07-03 18:47)
生のミカンよりアタリ・ハズレがなかった気もします・・。
by solty (2009-07-08 11:19)
soltyさん、言われてみればそうでしたね! これって、きっと
理由があるはずです。調べてみますね♪
by ぼんくらオヤジ (2009-07-08 12:30)