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ワイドショーのコメンテーターって最低だな - 臓器移植法案衆院通過 [テレビ]

 たまたまTVで『ミヤネ屋』を観ていたら、ついに臓器移植法案が衆院を通過したとの報道。しかも脳死を人の死とみなし、臓器提供者の年齢を原則無制限とするA案が通ったのだ。今までのゴタゴタはもちろん、個々の死生観を思えば、統一見解なんて出せるんだろうかと思ってたんだけどなぁ。賛否、ご意見は相半ばするところでしょうが、皆さんはどう思いましたか?
 ぼんくらオヤジ個人は、脳死を死と認めないご家族が一切の不利益を被らないという大前提の上で、今回の臓器移植法案には賛成です。海外での臓器提供が様々な理由で難しくなってきた今、何らかの回答を出すべき現状なのは確かなところだろうし。でも、賛成している僕自身にしたところで、脳死状態でありながら背が伸び、体重も増えているお子さんのいることを思えば心はたちまちにして萎えてしまう。もし我が子が、妻が脳死状態になって、それを死と認められるのか? そう問われたら、きっと即座にYESと答えることはできないだろうな。これは死が、生物学的にも認識論的にも定義の難しい、極めてグラデーション豊かな存在であるためだ。例えば現在の我々が気持ちの上ではさして矛盾亡く受け入れている心停止、自発呼吸停止、瞳孔散大の定義だって、その後も爪や髪の毛などが長期にわたって伸び続けることを思えば、きっぱりと生物学的な死とは言えないのだ。まして個人ではなく家族の一員としての社会的な存在として人を位置づけた場合や宗教観から観た場合、死の領域は限りなく広がる。
「だからこそ、法的な死の定義が必要なんじゃない?」
 そういう意見もあるだろう。でも、それなら定義から漏れた人々への保証も担保されるべきだと思う。ぼんくらオヤジは今から心配しているんだけど、法の施行後に、脳死状態にある人の医療補助が打ち切られちゃったり、医療機関からお荷物扱いされたり、家族が社会的なバッシングを受けるようなことが絶対にあってはならない。元来が少数派の人々に対して冷酷になりやすい社会なんだから、こうした予測される事態に対しては万全の対策を講じてもらいたいと心から思う。

 少数派は人じゃない。こんなふうに思っているとしか思えないコメントが『ミヤネ屋』のコメンテーターとして出演していた森本敏から飛び出した。
「こんな法が成立したところで恩恵を被る人は年に10人やそこらなんですけどね」
 一人の人間が助かることなら万事に優先すべきだと、50年間、ぼんくらオヤジは信じてきたんだけど、どうもこれは凡人の思い込みだったようで、いやぁ失礼しました! さすがにエリートは違いますねぇ。一体、何人以上が助かれば価値があるんでしょうねぇ。しかも森本氏は続けて、
「欧米では『たとえ本人が死んでも、その臓器で助かる人がいたなら、その体の中で本人は生きていく』っていうキリスト教の考え方があるんだけど、我々はとても受け入れられないでしょう」
 そして宮根さんも含めて周囲はうんうんと頷いていたんだけど、これにはぼんくらオヤジが絶句。っていうのは、ぼんくらオヤジ自身がカトリックで、彼の言う「我々」にはどうも属していない。つまり200万人近くいるキリスト教徒は日本人じゃないってことなんですかね。どうも森本さんって御仁は数の論理で少数派を握り潰すのが大好きみたいだな。宮根さんも頷いたってことは、200万人を視聴者だと思ってないようだ。
 もうひとつ、クリスチャンの一人として誤解をして頂きたくないことなので、これだけは書いておきたい。「キリスト教徒だから脳死を人の死だと認める」とか「キリスト教精神に則って臓器移植を認める」などという、統一したキリスト教=脳死&臓器移植肯定論は存在しない。現実はキリスト教徒もこの問題に苦しんでいるのだ。その証拠にネットで「キリスト教」「脳死」「臓器移植」で検索をかけて欲しい。様々な意見や提案が飛び交いながらも、まとまった見解が出せずにいる現状を少しでも知って頂けると思う。
 根も葉もないご託をお茶の間に吹き込んでエリートを気取るのは勝手だが、そんな軽い気持ちでこうした議論に参戦して、その結果、貴方がぞんざいに扱った少数派のたとえ一人であっても塗炭の苦しみをなめることがあったら、論客を生業とする貴方はどういう責任を取るつもりなんだろうか。


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