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ボールペン [文具]

ボールペン1.jpg たいていの人が日に一度は手にする筆記用具といったら、ボールペンだよね。芯はインクの注入された細い管で、先端に金属やセラミック製の球がはめ込まれている。このボールが筆記面で回転するとインクが送り出されて字を書くことができるという、理屈そのものは非常にシンプルなものだ。
 ただ、それを実現するのは大変なことだった。先端のボールは精度の高い球体である必要があったし、その球を回転できるようにペン先に固定させる技術も編みださなけりゃならなかった。よしんばペン先が完成したとしても、今度は普通のインクじゃ多量に出過ぎて滲んじゃうので、専用の高粘度インクの開発は避けて通れない課題でもあった。
 なのでアメリカのジョン・ラウドがボールペンのアイデアを考案したのは明治17年(1884)と早かったのに、ハンガリーのビーロー・ラースローによって世界初のボールペンが完成したのは昭和18年(1943)のことだった。それも完成度という点ではイマイチで、ほぼインク漏れのない安定した製品が市場に出回るようになったのは1950年代に入ってからだった。
ボールペン2.jpg 国産初のボールペンは、昭和23年(1948)にセーラー万年筆によって発売された。戦後まもなく、米軍兵士の持っていたボールペンを当時の開発担当者(詳細不明)が入手し、ペン先の構造やインクを手本にゼロから開発を行って作り上げたというから驚きだ。アイデアから実用化まで60年以上もかかった技術を、手本があったとはいっても数年でクリアしてしまったことになるもんね。サル真似とバカにされがちな昭和の技術者たちだけど、本当にそうなのかな? 



■ボールペンでドラゴンを描いています。思わずみとれちゃいます♪■

http://www.youtube.com/watch?v=8RmIzIL2bco


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ファジー

昔のボールペンは、インクが漏れてきたり、字がかすれたりしてましたが、最近のものはそういうこともなくなりストレス無く使えます。
これもメーカーの弛まぬ努力の賜物なんでしょうね。

書き味がいいので何十年間もず~っと、金ぴかCROSSのClassic Century太字用ボールペンを肌身離さず使っています。
by ファジー (2010-03-31 16:44) 

やなぎはっか

BICボールペンのCMが好きでした。
スケーターの靴に取り付けて一すべり。
それでも滑らかに書ける…みたいな。

10年程前から?もっぱらシグノ・極細を愛用しています。


by やなぎはっか (2010-03-31 16:45) 

斗夢

ボールペンの芯を造る機械はスイスから輸入しています。多分今も。
100円ライターのノズルを造る機械も。
by 斗夢 (2010-03-31 17:55) 

Milu

日本人はコピーの達人!
馬鹿にしてはなりませぬ!
今の日本があるのは、この方々のお陰でもあるのです。
いや、真似をするだけではなかった・・・
より一層品質の良いものに創り上げたのです。
誇りですわっ!
だから、いまイタリアでも日本の製品は間違いないと高く評価されています。
このボールペンなんかは、本当に良い例です。
なんせ、イタリアのボールペンは直ぐ書けなくなって途中でポイっ!(しかも値段が高い)
帰国すると必ず姉やある友人からボールペンの粗品を山ほどもらって来ますが、イタリアで欲しい人ばかりなんです。日本のボールペンは素晴らしい〜〜〜と感動しています。
by Milu (2010-03-31 19:46) 

とーちゃんとママ

ボールペンのインクを最後まで使い切ることって結構難しくないですか?
私は30年以上生きていますが,最後までインクを使い切れたのは3本くらいしかないと思います.

by とーちゃんとママ (2010-03-31 21:48) 

ぼんくらオヤジ

[メール]ファジーさんはクロスのClassic Centuryをお使いですか、さすがですねぇ♪ 元はといえばクロス創業100周年記念モデルだったものが定番モデルとして今に伝えられているペンで、いいものを長く愛用しようという方にとってはイチオシのアイテムですよね! たしかぼんくらの父も使っていたと記憶しています(父の机の引き出しに入っていたはず^^)。
by ぼんくらオヤジ (2010-04-01 16:56) 

ぼんくらオヤジ

[メール]やなぎはっかさん、BiCはぼんくらの愛用品です♪ 安いオレンジの汎用モデルが大好きなんです。あれの1.0で青のを店頭で見つけるとダースで買って、無くなるまで使い続けるという習慣を何十年となく続けています。シグノが愛用ペンですか♪ 顔料インクを使っていて描線が滲みにくく、滑らかな書き味のペンですよね。ボールが2連になっているツインボール機構という画期的な構造になっている点も特筆に値します!
by ぼんくらオヤジ (2010-04-01 16:56) 

ぼんくらオヤジ

[メール]斗夢さん、ボールペンのペン先は厳密な精度が要求されるものなので成形はできず切削加工で作るんですよね。これが日本の工作機械では対応できなくて、スイス製の特殊加工機械を使っているという話を聞いたことがあるんですが、本当なんですねぇ! 斗夢さんはお詳しいですね♪ こういう関係のお仕事をされていたんですか?
by ぼんくらオヤジ (2010-04-01 16:57) 

ぼんくらオヤジ

Miluさん、まったく仰る通りだと、ぼんくらも思います! 技術指導を受けたわけでも産業スパイをしたわけでもない。ただ完成品がポンと目の前にあって、その構造を調べ、材質や製造法は試行錯誤を繰り返しながら自分で編み出したんです。それを当の日本人も海外から言われるままに「サル真似」と評価してきたフシがあるんです。たしかにそういう伝統がアイデアの創成とそれに対する評価を妨げてきた点はあるし、オランダ型の頭脳立国になれずにいる原因であることは否定できませんが、仰るように日本の今があるのは、ナイナイ尽くしの中から必死に何かをつかみ取ろうと捨て身の努力を行ってきた諸先輩方のおかげなんですよね。真の意味での技術立国になれるかどうかは、これだけの水準にまで高められたものを受け継いだ私たちにかかっているってことになるんでしょうか。さて、困りましたね、どうしたもんでしょう^^;
by ぼんくらオヤジ (2010-04-01 16:57) 

ぼんくらオヤジ

[メール]とーちゃんとママさん、そーかもしれませんねぇ(笑)。ぼんくらは結構、執着があるというか、最後まで使い切るタイプなんですが、替え芯を買って大切に使った経験がないんです^^; まあ愛用のペンがBiCのオレンジで使い捨てってこともあるんですが。それと使い切る前になくしちゃうってことも多々あり。反省しなきゃいけませんね!
by ぼんくらオヤジ (2010-04-01 16:58) 

とんちゃん

はじめまして!少し前にぼんくらオヤジさんのブログを発見してから、楽しく読ませていただいていますがコメントは初めてです!

ボールペンの話が出ていたので思わず筆をとりました。私はアルゼンチンに住んでいるんですが、こちらでは、ボールペンはアルゼンチンが発祥の地ということになっています。ライト兄弟ならぬBíró(ビロ)兄弟とその友だちのMeyneさんが発明したことになっているので、Biromeと名づけられ、70年たった今でもそう呼ばれています。物の発祥地、というのは世界のどこでも議論がありますから、何が本当なのか、わかりませんね! 
by とんちゃん (2010-04-01 18:57) 

ぼんくらオヤジ

[メール]とんちゃんさんはアルゼンチンにお住まいですかぁ、いいですね♪  死ぬまでに一度は行ってみたい国なのでぜひいろいろと教えてくださいね! 今晩、ブログにもお邪魔します♪

 「ライト兄弟ならぬBíró(ビロ)兄弟」というのは、そのうちのどちらかが記事中のビーロー・ラースローに間違いないです。ちなみにハンガリーでは姓・名の順に名前がなりますので、ビーローは姓になります。もうひとりのご兄弟とお友達のMeyneさんについては残念ながら情報を持っていませんので、以降はビーローさんと表記しますね♪ 

先ずビーローさんはユダヤ系ハンガリー人で1899年にブダペストで生まれました。万年筆については、製法の特許を1938年にパリで特許を取得した後、1943年にアルゼンチンに移住し、同年に新たにアルゼンチン政府に対して特許を申請した上で"Biro Pens of Argentina"を設立しました。この会社がボールペンを"Birome"という商品名で売り出した結果、アルゼンチンではボールペンをbiromeと呼ぶようになったようです♪

このボールペンは大変に優秀で、イギリスでは使用権を買って空軍向けのボールペンの生産を始めたほどでした。高高度では万年筆よりもボールペンのほうが書きやすかったからだそうです。こうしてヨーロッパでも高い評価を得たBiromeですが、戦後の1950年にはフランス人実業家のマルセル・ビックがBiromeの特許を買い取り、これがBiCボールペンとなりました。ぼんくらはイギリスに何年かいたことがあるんですが、イギリス英語ではballpoint penなんて長い言葉を使わず"biro(バイロー)"と呼んでました。なるほどぉ! って、今になって思いましたよ(笑)

ビーローさんは1985年にブエノスアイレスで亡くなりました。享年86。アルゼンチンでは彼の誕生日である9月29日を「発明家の日」としているようですね♪ ボールペンのアイデアは19世紀のものですが、それの実用化に成功した発明家としてビーローさんの功績は本当に大きなものですし、それを産業として育てたのはアルゼンチンに間違いないのですから、アルゼンチンの皆さんが国の誇りとされるのはもっともなことだと思います^^
by ぼんくらオヤジ (2010-04-02 18:37) 

とんちゃん

なるほど!ハンガリーからの移民だったわけですね!アルゼンチンは、アメリカ大陸の中でも、USAについでユダヤ人の多い国だそうです。ユダヤ人は、商売が上手ですから、ボールペンも上手に産業にして売りさばいたのでしょうね~(笑。

それにしてもいつも思いますが、色々な細かいことをよくご存知ですね。勉強になりました~!^_^
by とんちゃん (2010-04-03 16:31) 

ぼんくらオヤジ

[メール]とんちゃんさん、そうなんですかぁ! アルゼンチンにユダヤ系の方が多いというのは知らずにいました。南米でもアルゼンチンというのはひと味もふた味も違う印象を受けるんですが、そんなところも一因なんでしょうか? 勉強になるのはぼんくらのほうです。どうかこれからも折に触れていろいろと教えてくださいね! よろしくお願いします^^
by ぼんくらオヤジ (2010-04-05 00:06) 

日給5万以上

ここの「あや」は誰とでもセクスする悪い子(。・ω・)ノ http://www.44m4.net/
by 日給5万以上 (2012-09-06 17:37) 

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