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大量消費時代の申し子 - ロケットペンシル [文具]

ロケットペンシル1.jpg 何であんなものに憧れたんだろう?
 子供の頃にもの凄いオーラを感じていたのに、大人になるとガラクタにしか思えないものはたくさんある。これは当たり前のことだし、大人の価値観でもって子供の世界をとやかく言うのは野暮だ。とはいうものの、やっぱりダメ出しをしていいものがあるんだよなぁ(笑)。
「ありゃないよ」
 って言いきれるもののひとつがロケットペンシルだ。これはプラスチックの台にセットされた芯が鉛筆状の筒にいくつも入っていて、芯先が丸まったら、それを引っぱり出してお尻に突っ込めば新たな芯がにゅっと出てくるというナイフ不要の筆記用具だった。当然、丸まった芯は使い捨てられるわけで、すべてのユニットを使い切ると本体ごとお役御免となる。ぼんくらオヤジの両親は健全にも、
ロケットペンシル2.jpg「こんな無駄の多い製品を使うこと相成らんっ」
 と、にべもなく息子の購入申請を却下したんだけど、息子のむくれたのなんの! だって周りの友達はフツーに使ってたんだもん。それにこういうのを買ってもらえる子たちは、アーム筆入れみたいな「高級品」も必然的に持ってるわけで、もうこうなると二重三重に差をつけられたような屈辱感と悲壮感にさいなまれちゃうんだよなぁ(^^; だから、しつこくも「いずれはオイラも」と入手の機会をうかがってたんだけど、ある日、先生のツルの一声で、このねじくれ曲がったぼんくら少年の心はビンタをくらうことになった。
「鉛筆も削れない不器用な子にならないためにも、学校でロケットペンシルを使うのは止めましょう」
 かくしてぼんくら少年の野望はおろか、少なくともぼんくら少年の世界から、突如としてロケットペンシルは姿を消してしまったのだ。実にあっけない幕切れだった。
 ロケットペンシルの当時の値段は100円。鉛筆だったら1本10円の時代だった。現在の価値に引き直すと400~500円はする使い捨て商品なわけで、やっぱりとんでもない贅沢品だったのだ。それを欲しがった子供たちと買い与えた大人たち。シャープペンシルはまだ普及していなかったし、資源の無駄使いを罪悪視する時代ではなかったことを差っ引いても、現在の環境破壊と温暖化につながる「狂気」をロケットペンシルに覚えるのは大袈裟すぎるだろうか?

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コメント 18

あんぱんち〜

ロケットペンシル、まだ、家にありますよ。
1個でも無くすと、もう、使えない残念な鉛筆ですよね。
by あんぱんち〜 (2009-07-18 11:48) 

ぼんくらオヤジ

あんぱんち~さん、ようこそお越しくださいました♪
どうかこれからもよろしくお願いします!
ロケットペンシル、まだお家にあるんですか?
そうなんですよ、あんな作りなんだから、代え芯を
売ってくれれば良さそうなもんなんですが、無いんですよね。
だから一個芯をどっかにやっちゃうだけで使えなくなるんです。
ちなみに、このペン、欲しい方はまだ売ってますよ♪
メーカーによりますが、1本50~150円です。
by ぼんくらオヤジ (2009-07-18 13:44) 

斗夢

これは知りませんねぇ!
東北の片田舎では売っていなかったのか?
by 斗夢 (2009-07-18 13:57) 

ダー

象が踏んでも潰れない筆箱、持ってました♪

                       ヾ(^▼^*)ノ

by ダー (2009-07-18 14:01) 

ぼんくらオヤジ

あ、そっか、斗夢さんはギリギリでご存じないかもしれません。
当時の小学生には思いっきりブレークしてましたけど、
中高生や大人相手にしてなかったような気が…
by ぼんくらオヤジ (2009-07-18 14:07) 

ぼんくらオヤジ

ダーさん、いいなぁ! 
アーム筆入れを持ってた友達って
ホントに羨ましかったんですよ。
ぼんくらは母親が作ってくれた布製の筆入れで、
それが貧乏の証みたいで恥ずかしかった。
そう考えることが愚かで馬鹿げたことなのも
子供心に分かっていたんですが…。今でも
唐突に思い出しては胸がチクリと痛みます。
by ぼんくらオヤジ (2009-07-18 14:19) 

牛子

お母さんが作ってくれたなんて最高じゃないですか!!
個性が大切です。
一人一人を認める事が。
そしたらイジメなんて消えちゃいます。
って、個人の痛みもそれぞれですもね。
でも現代、何でも買い与えられたからと言って、
親からの愛情が一杯とも言い切れず。
欲しい物は無限で、それどころか、
手にした新しい物への感動なんか無くなっちゃうんじゃないでしょうか?

ロケットペンシル…ホントあんまり意味なかったかも。
やっぱり鉛筆一番!
現在、シャープペンシルより、鉛筆です。

でも私達の時代は何でも長~く使いましたね。
壊れても、後卒業まで少しだからとか…

by 牛子 (2009-07-18 15:52) 

ばぁちゃん

使ってました(^^;

そして・・・

まだ家にあります。

最近はダイソーで売ってますよね・・・
うちの娘が気に入って、しばらく使ってましたが
嫁に行くときには置いて行きました。
by ばぁちゃん (2009-07-18 17:00) 

ぼんくらオヤジ

牛子さん、ホントに仰る通りです。
母の作ってくれた筆入れはもうありませんが、
形や色、そして肌触りを今でも鮮明に覚えています。
その時の愚かしい思いと一緒に、ね。
その点、今の子って我々と逆なんですかね、
ぼんくらの次男なんか、5年生になった今でも
外に遊びに行く時は、何年も前にぼんくらオバンが作った
キルトの手提げを持っていきます。今風のバッグを買って
あげようとしても、
「これでいい」
って言うんです。何か嬉しくなりますね、こういう時って♪
by ぼんくらオヤジ (2009-07-18 18:06) 

ぼんくらオヤジ

ばぁちゃんさん、ダイソーで売ってるんですか!
ってことは今でも100円ってことでしょうか。
40年近く経つのに値段が変わってないなんて、ねぇ(^^;
by ぼんくらオヤジ (2009-07-18 18:11) 

釣られクマ

すごいなつかしすぎますね、ロケットペンシル
もう見ることはないと思ってました…

by 釣られクマ (2009-07-18 20:51) 

ぼんくらオヤジ

あ、釣られクマさん、来てくださってありがとうございます!
子供の頃の思い出って、ホントにちょっとしたものに
込められてるんですよね。大丈夫、ダイソーで売ってるみたいですから、
探してみてくださいね(笑)
by ぼんくらオヤジ (2009-07-18 22:19) 

土の香りのソフト屋さん

はじめまして。
いやぁ。懐かしいです。私も、このような贅沢品?はかってもらえない境遇でしたが、この手の懐かしさ・・・今をもってして刺激になっていいですね。
ありがとうございます。
by 土の香りのソフト屋さん (2009-07-18 23:05) 

ぼんくらオヤジ

土の香りのソフト屋さん、ご訪問を頂き光栄です!
ブログ、いつも深い感慨を覚えながら拝読しております。
ぼんくらはこのブログを始めて実感し始めていることがあるんですが、
「懐かしい」という感情は決して後ろ向きの姿勢ではないのだと。
むしろ自分の人生を通じて「今」を見つめることなんじゃないかと
思い始めています。どうか今後ともよろしくお願い申し上げます。
by ぼんくらオヤジ (2009-07-18 23:23) 

みおのとおちゃん

持ってましたが、芯が全て丸くなっているのを貰ったものでした。
クラスのかわいいコが持っていて、欲しかったけど買ってもらえず、
ようやく手にしたロケットペンシル(ロケット鉛筆と呼んでた)は使い道があまりなく・・・・。
でもあっという間に、みんなシャーペンに変わってました。
それでも小学校を卒業するまで鉛筆派だった私は少数派・・・。
by みおのとおちゃん (2009-07-19 20:17) 

ぼんくらオヤジ

みおのとおちゃんの学校は先進的でしたね!
ぼんくらのいってた学校はシャープペンシルも使用禁止で、
鉛筆しか許可してもらえませんでした(T\/T)
by ぼんくらオヤジ (2009-07-19 21:11) 

ふぁんくしょんD

はじめまして、こんばんは。
いつも楽しく拝見しています。

ロケットペンシル、懐かしいですね。
小学生のころに、校門前で怪しい行商のおじさんが販売していたのを思い出しました。
そのことで、当時学校ではちょっとした問題になってたりしましたよ(笑

子供のころって、こういう仕掛けにはみんな目がないですよね。
というか、今でもくらくら~ってきちゃうかも。

それでは、またお邪魔いたします。
by ふぁんくしょんD (2009-07-25 01:44) 

ぼんくらオヤジ

あ、ふぁんくしょんDさんだ! 来てくださって感謝です♪
そうでした、学校の周辺って、怪しい行商のオジサンとか
「あなたは神を信じますか」の青い目のお兄さんたちとかが
出没する、極めて怪しげなエリアでしたねぇ(^^; そうだ、
このネタ、頂きますね。感謝!
「今でもくらくら~っ」って、いかにもふぁんくしょんDさんだなぁ(笑)
ふぁんくしょんDさんのブログをご存知ない方はぜひ、上の
赤字の「ふぁんくしょんD」がリンクになっていますので、飛んで
みてください。文具の仕掛けの面白さと奥深さに驚きますよ♪
by ぼんくらオヤジ (2009-07-25 02:27) 

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