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まんが日本昔ばなし [漫画・アニメ]

日本昔ばなし1.jpg 昭和50年(1975)からNET系列で放送が始まった『まんが日本昔ばなし』。ぼんくらオヤジは同年の3月までの第1期は高校受験の真っ只中でまったく観れなかったんだけど、翌昭和51年(1976)からTBS系列で始まった第2期は弟と、なんと父が夢中になってしまったので、引き摺られるように高校生のぼんくらも付き合って観るようになっちゃった。
 このアニメ、森進一との「おふくろさん」騒動で平成の若者も顔を覚えた川内康範が監修し、彼の娘さんで童話作家の川内彩友美が企画を行うという親子の連係プレーで制作が進められたんだ。
市原悦子.jpg 日本各地の民話をベースに構成された昔ばなしは、語り部によって伝えられてきた民話の味わいを損なわないように、市原悦子と常田富士男がたった2人で何役もの声とナレーションをこなすという独自のスタイルで語られた。
 絵のほうも、シンプルに見えたかもしれないけど凝っていたんだよ。ベテランのアニメーターやイラストレーターを多数起用し、彼らの描いた1枚1枚のセル画をフィルムに落とし込むというアニメの王道を行く手法が使われたんだ。
常田富士男.jpg 音楽を担当したのは北原じゅん。民謡からロック、クラシックに至るまでの多彩な音楽を巧みに用いて市原と常田の語りに華を添える重要な役割を果たしたんだけど、なんと北原も川内の甥っ子さんなんだよね。
 万事において手を抜かず良質であることを心がけた『まんが日本昔ばなし』は、お茶の間の最高視聴率33.6パーセント(東京)という高い支持を受けて1970~80年代のTBSを支える看板番組になった。90年代に入って競合番組に視聴率を奪われ、平成6年(1994)3月に全国ネット枠の放送終了に追い込まれた後も視聴者からのリクエストは後を絶たず、ローカル枠での再放送は日本のどこかで途切れることなく行われる状態だった。
 公共広告機構(現ACジャパン)が昭和57年(1982)に流した「もったいないお化け」や「ツンツン娘」などのキャンペーンに採用されたように、妙なお仕着せではない形で大切なことを子どもたちに伝える役割を果たしてくれた希有なアニメだったともいえるね。
日本昔ばなし2.jpg 番組の息の根を止めた競合番組が『たけし・逸見の平成教育委員会』や『美少女戦士セーラームーン』だったことや、平成17年(2005)から復活したゴールデン枠が『1億人の大質問!?笑ってコラえて!』や『クイズ!ヘキサゴンII』に食われて1年の短命で終わってしまったことを思うと、この数十年の間に、お茶の間でどういう変化があったのかが分かるような気がして薄ら寒い思いがするのはぼんくらオヤジだけだろうか。



■「まんが日本昔ばなし」オープニング■

http://www.youtube.com/watch?v=Rd_m9kxNC_A



■「まんが日本昔ばなし」 - 夜中のおとむらい■

http://www.youtube.com/watch?v=WgTqcUltRuI



■「まんが日本昔ばなし」エンディング■

http://www.youtube.com/watch?v=whQPj0jz6Oo&feature=related


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鉄人28号 [漫画・アニメ]

鉄人28号1.jpg 最近、docomoのCMで『鉄人28号』の音楽が頭の中をグルグル回って仕方がない。昭和31年(1956)に月刊『少年』誌上で連載が始まった横山光輝のあまりにも有名なマンガだ。
 有名であってもストーリーを覚えていない人が(ぼんくらオヤジも含めて)圧倒的に多いようなのであらすじを書いておくね(笑)。
 舞台となるのは昭和30年代の日本。第二次大戦中に帝国陸軍が最終兵器として開発した巨大ロボット鉄人28号のリモコンをめぐる争奪戦に、少年探偵の金田正太郎が巻き込まれる。各国の政府や犯罪組織を相手に幾多の苦難を乗り越え、遂にリモコンを手に入れた正太郎は、鉄人を駆使して次々に悪を蹴散らし平和を守る使者となったのだった。ジャジャジャーン 思い出した?
鉄人28号2.jpg リモコンを持つ人次第で正義にも悪にもなるという敗戦後間もない日本人の心情を色濃く反映していたともいえるコンセプトは、時代や世代を超えて支持されているようで、これまでにも様々な形でリメイクが繰り返されている。後の『マジンガーZ』から『機動戦士ガンダム』に至るロボットもののハシリになった点でも記念碑的な作品だったといえる。
 原作を元に製作された作品群の中でも鉄人28号の名を不動のものにしたのは、何といっても昭和38年(1963)から昭和41年(1966)にかけてフジテレビ系列で放送されたテレビアニメ全97話だろう。全作がモノクロだ。
「あれ? カラーで観てたよ」
鉄人28号3.jpg って人は昭和55年(1980)の全51話か平成4年(1992)の全47話、でなきゃ平成16年(2004)の全26話を観てたはず。
 あのdocomoのCMでも流れているお馴染みの主題歌は、昭和38年(1963)に始まる第1シーズンのために作られたものだ。作詞作曲は日本初のCMソングを手掛けた三木鶏郎。このブログでも取り上げた「ワワワ、輪が三つ」や「明るいナショナル」、他にも「クシャミ3回ルル3錠」「キリン♪レモン♪」なんかが三木鶏郎の作品なんだよね。道理で頭の中で鳴りっ放しになるわけだ(笑)


■グリコ、グリコ、グ~リ~コ~で始まる鉄人28号のオープニング 1963年■



■プレイステーション2 ゲーム版鉄人28号のオープニング 街並みに注目!■



■docomoのPC用30秒スポット ラストの地面スレスレに飛ぶ鉄人が圧巻!■



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女の子にも人気のあったヒーロー『宇宙少年ソラン』 [漫画・アニメ]

ソラン1.jpg ソラン星でサイボーグにされた少年が地球に帰還し、新人類ミューの一団や宇宙の悪魔ゴロナ、超電子頭脳ガイバーなどの巨悪と闘いながら生き別れの姉を捜す物語。宇宙リスのチャッピーが相棒で、シリーズの途中からはエンゼル号を駆って大活躍するキャラといえば『宇宙少年ソラン』だよね。
 エンゼル号でも分かるようにスポンサーは森永製菓で、昭和40年(1965)から昭和42年(1967)にかけて全96話が放送された。原作者はミステリー作家の福本和也と漫画家の宮腰善勝となっている。どんな共作関係にあったのかは不明だけど、原案や脚本は福本が担当し、原案作成に宮腰が参加しながら、福本の脚本をアニメ化したと考えてよさそうだ。
 チャッピーという和み系のキャラが時として主人公のソランのお株を奪う活躍を見せたことや、ストーリーのカギが「ひみつのペンダント」で、最終目的が「姉との再会」ってこともあってか、この手のアニメにしては珍しく女の子のファンが多かったのも宇宙少年ソランの特徴だった。
 立花ソランって、ヒーローにしちゃこれといった必殺技を持ってなかったところが特徴だったよね。ソラン星の重力が地球の15倍あったので、ソランのパワーが人間の15倍になったという分かったような分からんような設定による馬鹿力はあったけど(笑)。
ソラン2.jpg 場外乱闘というか、手塚治虫と宮腰善勝との間で盗作騒動(漫画界でいう"W3事件")が勃発したことでも宇宙少年ソランは名を残した。あのチャッピーの設定は自分のアイデアを盗んだものだと手塚が激怒し、折しも『W3(ワンダースリー)』を連載中の少年マガジンに宇宙少年ソランの掲載が決まったのを機にW3を一方的に打ち切り、ライバルの少年サンデーで再掲載を始めてしまったのだ。たしかに人物の描き方などは、手塚アニメの真似だと言われても仕方がないほどよく似ている。宮腰善勝は元々、手塚のアシスタントを経て独立しているので、作風が似るのは無理もないんだけど、当時、スパイと疑われて虫プロを追われたSF作家の豊田有恒やその他の関係者の証言は、何らかの形で情報漏洩があったことを臭わせている。
 漫画やアニメが莫大な権益に繋がりだした中で宇宙少年ソランは誕生し、大人にはトキワ荘の青春が過去のものになったことを告げ知らせ、子供たちには森永の販促グッズを撒き散らして、再び記憶の闇に消えていった。


■宇宙少年ソラン『秘密のペンダント』前編 1965年■



■宇宙少年ソラン『秘密のペンダント』後編 1965年■



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空き地に土管はあったのか? [漫画・アニメ]

土管1.jpg ドラえもんに登場する土管のある空き地は本当にあったのか?
 これは、ぼんくらオヤジがずっと疑問に思っていたことだ。少年時代に東北の田舎町と東京を行き来していたぼんくらオヤジは、昭和40年代の大都市と地方の町の両方で遊んでいたんだけど、土管の置いてある空き地の記憶がないんだよね。
 東京に絞って話をするけど、ぼんくらオヤジの縄張りは、南北は井の頭線永福町駅と東松原駅、東西は京王線下高井戸と代田橋駅、大雑把にいえば明大前駅を中心に半径1キロ圏内のエリアに羽根木公園を足したものだった。この辺りは田畑が戦後、急速に宅地になった地域で、昭和40年代には一戸建ての住宅とアパートがぎっしりと建ち並び、甲州街道以外は建築基準法施行以前の4メートルに満たない幅の道や路地が住宅街を網の目のように走っていた。空き地はあったけど、よくこんなところに家や庭があったなぁと思えるほど狭い土地ばかりで、ドラえもんで描かれている土管を2、3本も置けば、遊ぶスペースなんて無くなっちゃったろうな(笑)。もっとも羽根木公園の周辺にはまだ宅地じゃないところもあったけど、そこは空き地じゃなく畑だった。いったい、土管のある空き地は何だったんだろう?
土管2.jpg ひとつだけ思い当たるのは、ドラえもんが登場した昭和40年代は、下水道の整備拡充が急速に進んだ時代だったことだ。汲み取り式のトイレが水洗式に取って代わったのはこの時期だったのだ。だから、資材置き場や工事現場には当たり前のように土管が置かれていたんじゃないだろうか。ただ、ぼんくらオヤジの記憶では、こうした場所で子供が遊ぼうとして侵入すれば、たちまち現場のおじさんたちに追い払われたような気がする。工事現場は言うまでもなく、資材置き場も重量物が不安定に仮置きされていて、上に乗って騒いだり隙間に潜り込んだりするのは、大変危険なことだったのだ。乗っていた土管が転がり出し、下敷きになって男の子が亡くなるという痛ましい事故も現実に発生していた。こういう危険な場所が子供たちを魅了することを藤子・F・不二雄が把握していて、敢えてマンガで再現したのだという説もあるみたいなんだけど、なんか釈然としない。やっぱり藤子・F・不二雄は、空き地の土管で遊ぶ子供たちを日常、目撃していたんだろうか。
 待てよ、そういやぼんくらオヤジも土管で遊んだ記憶があるぞ…。
土管3.jpg でも、これは羽根木公園にあった遊具だなぁ。ほら、コンクリート製の小山で土手っ腹に土管が埋め込まれれるのがあるでしょ。あれなら随分と世話になったよ。中で友達と駄菓子を食べたり、マンガを回し読みしたり、にわか雨の時の避難場所にしたりして。でも、状況設定が違いすぎるよなぁ。
 謎は深まるばかりだけど、新生『ドラえもん』にすら登場するお馴染みの光景を、平成生まれの子供たちはどう受け止めているんだろうか。試しにぼんくら息子たちに聞いてみると、
「え? そー言われりゃ、こんな場所は見たことないけど、全然気にならない。だってあり得るでしょ」
 という答えが返ってきた。知らないのにあり得ると世代を超えた子供たちが思える舞台セットってことなんだろうか。やっぱり藤子・F・不二雄は、とんでもない漫画家だったのだ。


■初代ドラえもん(昭和48年バージョン)■



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ドラえもんよ… [漫画・アニメ]

doratop_mini.gif ドラえもんの声優陣が新旧交代したというニュース、藤子アニメで育った世代にはホントに印象的な出来事だった。ところでこのニュース、何年前のことだか覚えてる?
 主要キャスト5人のレギュラー番組は2005年3月18日の特番をもって終了。もう4年前なんだよね。
 声優さんの交代自体は79年にもあったことなんだけど、生みの親の藤子・F・不二雄さんが96年に亡くなり、四半世紀に渡って馴染んできた声までもが変わったという時点で『ボクらのドラえもん』は、決定的に手の届かぬ未来に帰ってしまった。そんな感慨を持ったのは、ぼんくらオヤジだけだろうか。
 当たり前すぎる話なんだけど、藤子・F・不二雄さんから手を離れたドラえもんは、既にストーリー的には死んでしまっていた。軸足を移すような愚は犯さなかったけど、何かが足らなかった。
 何だと思う? ぼんくらオヤジは「毒」と「闇」なんじゃないかと思ってる。そのヒントになるのは73年にビッグ・コミックに掲載された『劇画・オバQ』だ。サラリーマンになった25才の正ちゃんにオバQが15年ぶりの再会を果たすという話で、それは楽しいお話になりそうなもんなんだけど、ストーリーは正反対に進む。相変わらず天真爛漫なオバQの破天荒な振る舞いに周囲は困り果て、それを察知したオバQは「もうボクの居場所はないんだね」と呟きながら空の彼方に去ってしまう。必然的な破綻を前提して成立するファンタジー。もしかすると、それに誰よりも気付いていたのが読者の少年少女だったのかもしれないね。「ドラえもん、いつまでも一緒だよ」っていう気持ちは、「どこにも行かないで」という不安の裏返しだ。だからこそ、巷には常に最終回の噂が絶えなかったんじゃないか。こんな『のび太的な不安』が陰のように常に付きまとっていたのが藤子・F・不二雄のドラえもんだったと思う。この陰が消えてしまったんじゃないだろうか。
 先日、久しぶりに新生ドラえもんを観て愕然とした。ジャイアンとスネ夫が、どうしようもない悪者に描かれていたんだ。ジャイアンは単に暴力的で、スネ夫は狡猾な小心者。引き起こした災いにみんなで立ち向かうような名誉挽回の機会すら与えられずに話が終わってしまった。何なんだろう? 陰どころか、友情も希望も吹っ飛んでしまっていた。ぼんくらオヤジは、自分と共に歩んだドラえもんやのび太、静ちゃん、ジャイアン、スネ夫たちが可哀相で仕方がない。少なくとも、そうじゃないドラえもんを知ってるボクらは言おうじゃないか。
「いつまでも一緒だよ」


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