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水飲み鳥? 平和鳥? ハッピーバード? [テクノロジー]

水飲み鳥1.jpg 昭和50年以前に生まれた昭和生まれなら、ガラスのボディに原色の液体をたたえた鳥がコップに注がれた水を飲み続けるという人形を知ってるよね♪ 『水飲み鳥』とか『平和鳥』、『ハッピーバード』なんて名前で親しまれたこの人形、ぼんくら少年にとっては不思議で仕方のない存在だった。
 当時の少年マンガには、グラビアにUFOや宇宙人の死体、数千年前の電池といったオーパーツ、ネス湖の恐竜やイエティなどの巨大生物、ミイラの呪い、心霊写真などなど、挙げたらキリがないぐらいの心躍る情報が満載されていて、下手をすりゃ本体のマンガよりも面白い内容だった。この不思議博物館の中に『永久機関』というものがあって、雑誌によっては水飲み鳥を永久機関のひとつとして取り上げていた。
水飲み鳥2.jpg 永久機関は、外部からエネルギーを受け取らずに仕事を行い続ける装置のことを指す。水飲み鳥は、水の気化熱の力を借りて人形の頭とお尻の温度差を作らなければ、内部に満たされたジクロロメタン(塩化メチレン)の液体と気体を凝集させたり気化させて気圧の変化を起こし液体の移動を行うことができないので、残念ながら永久機関とはいえない。そもそも永久機関という考え方自体に無理があったわけなんだけど、錬金術と同様に実に怪しい魅力を放っていて、しかも研究の過程で得られた副産物が後の科学に多大な貢献をした点も錬金術と同じだった。もちろん、こんなややこしいことが子どもに分かるはずもなく。水飲み鳥は不思議を体感できる貴重なアイテムだったのだ。
Miles V. Sullivan.jpg この水飲み鳥、日本で発明されたと思っている人が多いようでネットでもこうした記述が蔓延してるけど、実際は昭和21年(1946)に熱力学の研究者でアメリカ人のMiles V. Sullivanが考案し特許を取ったものを、Edmund Scientificという会社が『Dippy Drinking Bird』という名前で売り出したものだ。当初はグラスの縁に引っかけるタイプが登場し、後に日本でお馴染みのスタンドタイプが登場した由。ぼんくらオヤジはスタンドタイプが先だと思い込んでいたので、これにはビックリした。たしかにSullvianの設計図は引っかけるほうになっているよね。
 以前ほどじゃないけど、水飲み鳥の愛好家は決して少なくないようで、今でも雑貨屋さんに行くと売っていることがある。値段も1,000円前後とお手頃。ネットでも手に入るみたいだから、また買って観葉植物の茂みに飾ってみようかな♪


■水飲み鳥 ハンギングタイプ■




■水飲み鳥 スタンドタイプ■




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Mineosaurus

子供の頃から知っている近所のたばこ屋さんのガラスのカウンターに、鎮座してましたね。
今は、そのお店も、雨戸を閉めて自動販売機だけが生きているようです。
お店のお婆さんは、まだご存命で、時々外へ出ているのを見かけます。
ボクはひょっとしたら、ハッピー・バードが、まだ同じところにあるんじゃないかと思っています。
by Mineosaurus (2009-08-28 19:06) 

Mineosaurus

PS.ご訪問、お言葉ありがとうございました。
by Mineosaurus (2009-08-28 19:08) 

ぼんくらオヤジ

Mineosaurusさん、先だって周りをグルリと自販機で
囲まれた家があったので、何気なく見上げたら、
看板と思しきものにうっすらと「かつらぎたばこ店」という
字が読み取れました。そこにもハッピーバードがいたかなぁ?
一時期は「何で?」と思うほど、どこにもいたんですが^^;
by ぼんくらオヤジ (2009-08-28 19:15) 

牛子

御世話様です。
面白くて愛らしくて今後見かけたら買ってしまいそうです(^^;
度々無知ながらの書き込み申し訳ありません。
ハッピー・バード知らないと言う事はひっとして私は昭和50年以後に生まれてるかも(笑)
だったらまだ軟骨健全かな(--;
by 牛子 (2009-08-28 19:15) 

ぼんくらオヤジ

Mineosaurusさん、わざわざ恐縮です。
どうかくれぐれもお大事になさってください。
by ぼんくらオヤジ (2009-08-28 19:17) 

tateichi

ティファニーの情報をありがとうございました。
by tateichi (2009-08-28 21:47) 

ぼんくらオヤジ

牛子さん、言うに事欠いて昭和50年以降のうまれですか(笑)
水飲み鳥は面白いですよ♪ 興味がありましたら是非!
by ぼんくらオヤジ (2009-08-28 22:22) 

ぼんくらオヤジ

tateichiさん、お役に立つ情報だったら良かったのですが^^;
by ぼんくらオヤジ (2009-08-28 22:25) 

peace9314

いや~
水飲み鳥 よく出来てますね~\(Y ^ ^ Y)/
by peace9314 (2009-08-28 23:28) 

びっけ

昭和博物館!と呼びたくなるようなラインナップに狂喜です。
この水飲み鳥、我が家にもありましたよ。
へーっ! アメリカ人の発明とは知りませんでした。
それじゃぁ、同世代のアメリカ人とも、水飲み鳥のことで話が盛り上がるかしら?
・・・それ以前に英会話の問題が・・・。苦笑。
by びっけ (2009-08-28 23:44) 

ぼんくらオヤジ

peaceさん、仰る通りでこの水飲み鳥、理科の教材として
当たり前のように使われているようです。ぼんくら息子たちも
水飲み鳥の画像を見て「学校で見た!」とはしゃいで
いましたよ^^
by ぼんくらオヤジ (2009-08-29 09:24) 

ぼんくらオヤジ

びっけさんの家にもありましたか!
そうなんですよ、調べた時にかなりのブロガーが
日本発の玩具だと思っていて、ぼんくらもすんでのところで
引っかかるところでいた^^; たぶん、つい最近まで
製造元が日本である場合が多かったので、そう思われて
いたんだと思います。数年前に日本での製造は打ち切られ、
現在の生産拠点は台湾だという情報もあります。
アメリカ人が水飲み鳥をどれだけ知っているかというお話ですが、
ひとつの目安として「dippy drinking bird」が検索エンジンで
どれだけヒットするかというと、Googleで約156,000件の
ヒットがありました。水飲み鳥のモダン・アートもひとつやふたつじゃ
ないところをみると、フツ-に知られているとみて間違いないんじゃ
ないでしょうか^^
by ぼんくらオヤジ (2009-08-29 09:50) 

空楽

いつもご訪問くださりありがとうございます。
幼少の頃、散髪屋に行くと鏡の横に置いてありました。
もう少しで立ち上がるのを、息をのんで見たのを
想い出しました。
今後ともよろしくお願いいたします。
                 空楽の家族より
by 空楽 (2009-08-29 11:44) 

ぼんくらオヤジ

空楽さんは家じゃなく散髪屋さん…あ、今日は空楽父さんでしょうか^^
散髪してもらいながらボーッとしている時にはちょうどいい置物ですよねぇ(笑)
子どもの頃が目に浮かぶようなお話、ありがとうございました!
by ぼんくらオヤジ (2009-08-29 13:00) 

ばぁちゃん

おやっさん、愛知にきておりますぜ(笑)

娘のPCから、取り急ぎ応援のみで失礼!
by ばぁちゃん (2009-08-29 14:29) 

ぼんくらオヤジ

ばぁちゃんさん、愛知に来てるんだぁ!
愛知のどこに来てるん?
by ぼんくらオヤジ (2009-08-29 16:41) 

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