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危ないバラ線だって気にもしなかった時代 [テクノロジー]

バラ線1.jpg 有刺鉄線、いわゆるバラ線は、ボクらが昭和の光景を思い出すには欠かすことのできない小道具だ。
 中太の鉄線に先の尖った鉄線が一定間隔をおいて巻き付いているという物騒な代物で、私有地や立ち入り禁止区域に人や動物が入ってこないように張り巡らされていた。今こんなものを住宅地で使おうものなら大騒ぎになるだろうな(笑)。
 バラ線の歴史は意外に古く、原型は1865年にフランスで開発されている。現在の形状は1874年にアメリカの発明家ジョセフ・グリッデンによって考案されたものだ。西部開拓史とは切っても切れない関係があって、テキサス州にはバラ線の博物館まであるそうな。バラ線の『バラ』に薔薇を当てる人がママいるけど、これは間違い。バラ線の『バラ』とはイバラのバラを指す。薔薇のトゲを連想しての勘違いだろうから、当たらずとも遠からずなんだけどね。
バラ線2.jpg バラ線の全盛期に少年少女期を過ごした人なら、一度や二度は服やズボンやスカートを引っかけてかぎ裂きを作っちゃったり、腕や足に引っ掻き傷をこさえた覚えがあるだろう。なんでリスクを冒してくぐるのかと聞かれたら、そこにバラ線があるからとしか答えようがないんだけど、当時は子供の世界を邪魔するバラ線がほとほと左様に張り巡らされていたのだ。
 それでもバラ線で失明したとか、命にかかわる大ケガをしたという話はついぞ聞かなかったと思うんだけど、そんな話、聞いたことある? 別にバラ線を奨励するわけじゃないけど(笑)、今って、ちょっとでも危ないってことになると、何でもかんでも子供の周囲から排除しちゃうでしょ。あれって妥当な対処なのかなって疑問に思う時に、いつも思い浮かぶのがバラ線なものだから。





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コメント 26

s-img

小さい頃は擦り傷切り傷当たり前でしたね。
あまり守りすぎるといけない気がします.. :-(
by s-img (2009-07-15 18:47) 

ぼんくらオヤジ

s-imgさん、ぼんくらの息子たちや彼らの友達をみてると、
危険に対する意識が驚くほど希薄なんですよ(^^;;;
マンションの高層階の階段から平気で身を乗り出したり、
料理や工作の時に刃物の進む先に指を持ってきたり、
ふざけて友達を小突く時なんかに限度を知らなかったり、
挙げればキリがありません。ケガをしないように、失敗しない
ように大人が先回りしてお膳立てをするのが当たり前に
なってる中でこうした子供たちが育っているような気がして
時々そら恐ろしくなります。
by ぼんくらオヤジ (2009-07-15 19:11) 

スクムビット

こういう視点から昭和を書きますかー。
書かれて気がつく昭和のコト、モノ。
毎度のことながら感心してしまいます。

有刺鉄線には私も小学生の頃やられたんですよ。今でも左足の向こう脛あたりに3センチほどの傷跡が残っています。
この記事を読んで、久しぶりに確かめてみましたが当然のことながらまだありました。

そのころから、今でも危ないところに近づきたくなる気持ちはなくなりません。

反省のないスクムビット
by スクムビット (2009-07-15 19:28) 

ばぁちゃん

とろくさい私は、よく引っかかって怪我をしてました(泣)
もうなくなったんですか?
by ばぁちゃん (2009-07-15 20:56) 

Mineosaurus

同感です。ボクらが子供の頃は危険の尺度が絶対的に自分の中にあったように思い出されます。
by Mineosaurus (2009-07-15 21:10) 

タラオのパパ

高校の頃に遊んでいて引っかけて裂傷。
保健室のおばちゃんに3針ほど塗ってもらった経験があります。
さび付いたものだったので破傷風になるということで消毒も強烈で細かい泡がすごく、またものすごくしみたのを覚えています。
それ以来、バラ線のあるところには近寄っておりません。
怖いです、バラ線は
by タラオのパパ (2009-07-15 21:14) 

ぼんくらオヤジ

スクムビットさん、3センチの傷跡ですか。
それは結構な怪我でしたねぇ(^^;
そういやラオスのお隣のカンボジアは
地雷地帯なんかでバラ線が大活躍ですね。
もっとも標識だけのところがほとんどですが(^^;
知らずに何度入り込んだことか(^^;;;;;
by ぼんくらオヤジ (2009-07-15 21:23) 

ぼんくらオヤジ

ばぁちゃんさん、農耕地の柵や軍事施設なんかのフェンス上
なんかには現役で使われてるようですが、住宅地や市街地
では、まず見かけませんね♪
by ぼんくらオヤジ (2009-07-15 21:29) 

ぼんくらオヤジ

Mineosaurusさん、子供たちが自分たちの経験から
危険の尺度を持つことはもの凄く大事なことですよね。
それがどのようにして身につくのかを、しっかりと考える
必要があるとつくづく思います。昨年まで次男の担任
だった先生が、「子供たちから間違ったり失敗したりする
権利を取り上げないでください」とよく言っていたことを
思い出します。
by ぼんくらオヤジ (2009-07-15 21:39) 

ぼんくらオヤジ

タラオのパパさんは高校時代に被弾ですか!
むしろ体力ができてからのほうが危険かもしれませんね。
3針も縫うケガじゃ痛かったでしょう(怖っ)
そんな経験をお持ちじゃ怖いと仰るのは当然ですねぇ(^^;
by ぼんくらオヤジ (2009-07-15 21:41) 

牛子

ばぁちゃん様の御協力で、ついにリンク完了致しました。
後は、ちょっとブログ内での位置が悪いと思うので、時間がある時変えてみます。

バラ線、そうですね、仰る通り、現代の子供達は危ない物が少ないですし、何かあると、すぐ親が、業者やメーカーに文句言っちゃいますね。
バラ線も、ゆっくり触ってみて危ないのを確認済みなのですが、つい遊びに夢中になり、走り回ってる際に垂れ下がったバラ線に引っかかった経験が何度となく…
by 牛子 (2009-07-15 22:44) 

みおのとおちゃん

そういえば以前はそこらじゅうにありましたよね。
3条張りとかになってるバラ線を支柱の付近のたるまない部分を利用して
登ってバランスを崩して服を破くなんてよくあったし、怪我しても
親から「アホな子」呼ばわりされて終わりでした。
カギ裂きになっても縫って終わりでしたよね~。
(今の子は縫ってまで着ないんだろうなぁ)
危ないと思うことって経験値がものをいうと思うのに、
大人たちが遠ざけちゃっているから、
逆に命にかかわる怪我をしたりするんだと私も思います。
by みおのとおちゃん (2009-07-15 23:17) 

ぼんくらオヤジ

笑、牛子さんもバラ線の餌食になってたんですねぇ。
いや~、女の子に犠牲者が出るのはこの歳になっても
嬉しいもんですね、ひひひ。
親として自戒の意味で言うんですが、何かトラブルが
あった時に、すぐに責任の所在を云々する在り様から
どうにかしないといけないと思うんです。親のこうした
姿勢が学校の管理強化と先生の萎縮を招く大きな
要因になったのは否定できませんし、子供たちに対して
腫れ物にさわるような社会を作ってしまった恐れが
あるとも思うんです。以前に住んでいた小学校で、
都市部から越してきたおじいさんが、登校途中の
子供たち声をかけたところ、子供たちが変質者として
おじいさんのことを学校に通報するというやりきれない
出来事がありました。しかも、その後の解決肢として
学校とPTAが出した地域へのお触れは、
「極力、用のない限りは子供たちに声をかけないで欲しい」
というものでした。その一方で、
「子供たちの安全を図るために、地域共同体として極力、
大人は子供たちと日常生活において関わりを持って欲しい」
ともお願いしていたわけで、ホントに無茶苦茶でした。
社会的弱者としての子供を守るという錦の御旗を際限なく
振り回すと、そのツケは当の子供たちに回ってきますよね。

(業務連絡)大変な思いをさせちゃって(^^; でも感謝!
by ぼんくらオヤジ (2009-07-15 23:32) 

peace9314

確かに
このバラ線危ないですよね~


近寄らないように書いてあると
かえって引き寄せられていったような(笑)
by peace9314 (2009-07-15 23:47) 

ぼんくらオヤジ

みおのとおちゃん、さっすが~ぁ(憧れ)
支柱近くのたるんでない部分を利用してよじ登るなんて
よく覚えてましたねぇ! ぼんくらもこれ、思い出しました。
こーやって乗り越えるか、手や棒切れで押し広げながら
くぐり抜けるか、(ここだけの話ですが)柵が古けりゃ
杭を足で押し倒すかして通り抜けるんですよね。

by ぼんくらオヤジ (2009-07-16 00:00) 

ぼんくらオヤジ

peace9314さん、あれってどういう心理なんでしょうねぇ?
「立ち入り禁止」なら、「これは入んなきゃ」って思うし、
「落書きするな」って壁はステキなキャンバスにみえてくる。
でもこの習性って、今も変わってないような…(笑)
by ぼんくらオヤジ (2009-07-16 00:06) 

お散歩

こんばんは。
ご訪問ありがとうございま~す。
じっくりいろいろと拝見させていただきますね~♪
イラストといったら即、亜土だった時代 なんて、本当に小さいころにこのイラストを見た事があるのですが、最近このイラスト結構売れてるんですよ~
昭和の歴史を覗かせてもらっているようで、勉強になります。
by お散歩 (2009-07-16 00:27) 

斗夢

近年は、危険だとか痛い目に遭うだとか
そういったことを子供自身が覚える機会がなくなりました。
そのため、自己責任であるべきものまで他者責任にしていることが目につきます。
by 斗夢 (2009-07-16 05:48) 

ぼんくらオヤジ

お散歩さん、来てくださったんですね、感謝です♪
そうなんですよね、亜土ちゃんのキャラクター商品、
ぼんくらも、つい先日、若者向けの雑貨屋さんで
彼女のTシャツやバッグを見つけて「ほ~!」と
感激しました。でも亜土ちゃんの感覚って、
渋谷ギャルなんかと通じるものがあるかもね♪
by ぼんくらオヤジ (2009-07-16 06:42) 

ぼんくらオヤジ

斗夢さん、仰る通りで、
現役の親の一人として言葉もないです。
責任論は事を片付けるのに一見合理的に思えますが、
発生した事案に対して常に、しかも後出しで保証と担保を
求める点では、ハナっから筋の通っていない論法ですよね。
やり場のない怒りを解消するには有効な考え方ですが、
スケープ・ゴートが発生するという副作用を必ず伴うし、
問題の解決に際しては、ヒューマン・エラーをシステムに
求めることができずに個人の過失に帰してしまう事が多く、
むしろ再発防止を妨げる危険があることを肝に銘じなきゃ
いけないと思うんです。自分に原因を求めたくない心理は
だれしもが持っていると思うんですが、回り回って、もっと
悪い形で(自分ならまだしも)子供たちに跳ね返ってきたら
取り返しがつきませんものね。自戒自制したいものです。
by ぼんくらオヤジ (2009-07-16 07:25) 

空楽

は~い!
スカート破れました!!
Lにやぶれるんですよね。
バラ線って言うのですね。
私たちは、鉄条網と呼んでました。

by 空楽 (2009-07-16 11:54) 

ぼんくらオヤジ

あれま、空楽さんもですか、いひひ。
実は投稿にも書こうかと思いながら
確信が持てずに捨てちゃったネタに
「かぎ裂き」があったんですが、やっぱり
そうでしたか! 見事にL字に裂けるんですよね。
こちらで情報を頂いたおかげで補足が
できました。感謝!
※それにしても「鉄条網」とはもの凄いっ(笑)
確かにその通りなんですが、なんか有刺鉄線を
くるくると巻いた障害物って感じで、迫力が
ありますよね♪
by ぼんくらオヤジ (2009-07-16 13:29) 

miopapa

そう言われれば
ほんと、最近全然見なくなりましたね!?
もしかすると、
大仁田あつしが国会議員になって
要らなくなったからなのかも?
                (笑)
by miopapa (2009-07-16 17:02) 

ぼんくらオヤジ

だぁ~ははははは、miopapaさん、
よりによって大仁田あつしですか(爆笑)
でも不思議に納得、ひぃ~お腹が痛いー
by ぼんくらオヤジ (2009-07-16 17:34) 

課長

昔空き地の周囲に立ち入り禁止なんて立て札とともにありましたね。立ち入り禁止なんだけど誰かかが一箇所破って入ると野球場になっちゃう(私ではない、笑)。このばら線を越えるとホームランでした。
by 課長 (2009-07-16 22:37) 

ぼんくらオヤジ

ら、野球場にしたのは課長さんではなかったのでせうか(笑)
バラ線を越えるとホームランっていうのも面白いですよね。
この辺のルールを先に決めずに始めると必ずケンカですから(笑笑)

by ぼんくらオヤジ (2009-07-16 22:55) 

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