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マイケル・ジャクソンはボクらにとって何者だったのか [音楽]

M.Jackson.jpg「まさかとは思ったが、おおかたそんなことだろうと思っていたよ」
 マイケルの訃報を聞いて、こんな中川いさみのフレーズを思い出した。「まさか」と「やっぱり」の相反する気持ち。でも、ロンドン公演のニュースを聞いて、なんとなく「彼は死ぬんじゃないか」と思った人は、ぼんくらオヤジだけじゃないだろう。
 この10年ほどは、異様なまでの整形、小児性愛のスキャンダルや経済的破滅、数々の奇行等々、肝心の音楽は聞こえてこないままに、底なしの転落ばかりが報道されてきたので、生前の彼に死を予感するのは簡単なことだったんだろうな。でも、彼と同じ時間軸を生きてきた人には、彼の死と関係のあるかもしれないもうひとつの側面に気付いていたんじゃないだろうか。
 それは、マイケルというアーティストの「臆病さ」だ。あれだけの成功を収めながら、彼は周囲から人を遠ざけ、会う必要に迫られた人に対しては極めて謙虚でフレンドリーだったそうな。私生活を知るはずもないボクらですら、コンサートをドタキャンしたり、過剰なファン・サービスで滑ったりと、彼がフラジャイルで不安定な心の持ち主だってことは分かっていた。でも、こうした奇行やカリスマ性の故に「病的に特異な性格のナルシスト」だと思い込んでたんじゃないか。
 事の真偽はさておき、もしマイケルが才能とスター性に恵まれた「フツーの精神の持ち主」だったとしたら? 破格な浪費癖も含めた彼の挙動は、平凡な人間が、破格の成功を収めて巨万の富を得、熱狂的な歓声を浴び続けたとしても行き着いたんじゃない? デビュー当初に彼が曝された激しい人種差別が根にあったとしても、マイケルが選び取った強烈な白人願望とハチャメチャな整形は、ぶっ飛んだスターが出すにはあまりにも平凡な回答肢だ。実像と虚像、というステレオ・タイプは、ことマイケルには当てはまらないような気がする。だって物心が付く頃から、世間で言う虚像こそが彼の実像だったからだ。非凡な才能を与えられた平凡な人。ぼんくらオヤジには、そんなふうに思えて仕方がない。
 何だよっ、先の投稿に続けて、モータウン・サウンドとジャクソン5を取り上げようと思ってたのに。マイケルの追悼文を書くことになるなんて想像もしてなかったよ。おまけにファラ・フォーセットまで逝っちゃうなんて。淋し過ぎる…


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ちびた

こんばんは

コメントありがとうございました。

今朝は2つの訃報が続いて飛び込んできましたね。

まずは寝起きのニュースでのファラ・フォーセット。
なんと言ってもチャーリーズエンジェルです。
高校の頃、この番組を見ていない友人はいないっていうぐらい
みんな見ていました。きれいだったし、格好良かったです。

そして電車の中でラジオで聞いたマイケル・ジャクソン。
こちらは私も「やっぱりこの日が来たか」という気持ちでした。

スリラー、絶対に忘れることができない曲、曲というかダンス、
ダンスというよりエンターテイメントでした。
ディズニーランドで長く並んで入ったキャプテンEOもすごかった・・・

なんだか忘れていた若い頃の大きな思い出が、いきなり打ち上げ
花火のように目の前に現れたかと思ったら、そのままポーンと
はじけて消えていった1日です。


by ちびた (2009-06-26 19:17) 

ぼんくらオヤジ

ちびたさん、
ご訪問&思いのこもったコメントをありがとうございました。
そうなんです、「忘れていた」んですよね。
なんだか美空ひばりや裕次郎が逝ったときに
「自分の青春が消えちゃった」
って悲しんでいたおばちゃん達の気持ちを
垣間見るような一日でした。
by ぼんくらオヤジ (2009-06-26 19:34) 

miopapa

私には、
どうして彼があそこまで整形に整形を繰り返し
人種まで否定? かえようとするかのように
いったい彼か求めていたものは何だったんだろぉーーーって!?
 
そして、それが結果的に、
彼を早死にさせることにつながったのでは
そんな気がしてなりませんが ・ ・ ・

   ただ一つ、ここに来て気になっていることは
   経済的に破綻していたと言っていい彼か
   所有しているというビートルズの数々の名曲の権利
   これが、この先とんでもないことに巻き込まれなければいいのですが
  

by miopapa (2009-06-26 20:33) 

ぼんくらオヤジ

miopapaさん、nice&こめんとありがとうございます。
諸説あって真偽のほどは確かじゃありませんが、
少年への性的虐待が裁判沙汰になったときに、
マイケルが尋常性白斑という病気なっていることが
判明しています。これは皮膚の色素の一部分が
失われてしまい、時間と共に徐々に広がっていくという
疾患で、白い肌は彼の望むところではなかったと
いうわけで。ですが、整形手術の方向性からしても
白人嗜好を否定できないだろうというのが大勢の
ようです。理由は、特にモータウン時代に受けた
過酷な黒人差別がトラウマになったのではという
話が流布しているようですが、あくまで噂です。

ビートルズの版権ですが、正確にはマイケルとソニー・
レコードの合弁会社が持っていたわけで、彼の残した
借財の整理の中で行く末が決まることになるようです。
普通に考えるなら、結果的にはソニー・レコードが
マイケルの分を吸収して一括管理することになるんでしょうが、
マイケルの借財に関しては、以前からマフィアが絡んで
いるという黒い噂もあり、そう簡単に事が運ぶかどうかは
なんとも…。ビートルズ・ファンは心配ですよねぇ(^^;
by ぼんくらオヤジ (2009-06-26 21:05) 

disneyworld

彼はスターだったんですよね。
最近聞いた話では、90年くらいにマドンナがクラブにマイケルを連れていき、「あなたの格好がどれだけダサいかよくみなさい」と諭したそうですが、いうことをきかなかったそうです。
それは頑固ってことではなく、彼が作り上げたものを崩すことがファンにもうしわけなかったからじゃないか、と。
マドンナはファンを裏切り続けることで今でも頂点にあるけど、マイケルは純粋でそれができなかった。そんな気がします。
by disneyworld (2009-06-26 22:40) 

ぼんくらオヤジ

disneyworldさん、
コメントありがとうございます。
ぼんくらオヤジも気になって真面目にネットで調べてみましたが、
相当数、いわれのないスキャンダルに曝されてきた節がありますね。
少年への性的虐待疑惑についても、芸能報道にはありがちな
質の悪い情報が検証もされないままに流されたり、早く事を終わらせたい
マイケルが示談にしちゃったりで、せっかくきっちりとした形で勝訴したにも
関わらず、『疑惑』が大衆の心に刻み込まれちゃった。ホントに
損な人です。ただこの件は、訴えた少年自身がマイケルの身の潔白を
後に告白していますし、虐待をしたのは実父のほうだと提訴もしている
ようなので、シロといっていいでしょう。性的な意味ではなく、同じベッドで
少年達とゴロ寝し、ネバーランドという閉じた空間で彼らと遊んだのだと
すれば、意味合いはまったく違ってくるはずです。ぼんくらオヤジには、
むしろ何らかの空白を埋めたいという切実な思いや、言いしれぬ孤独を
感じるのですが、disneyworldさんは如何ですか? スキャンダラスな
面を慎重に剥がしていって見えてくるのは、もしかするとdisneyworld
さんの仰るようなマイケルではないんでしょうか。
by ぼんくらオヤジ (2009-06-26 23:13) 

s-img

ホント今朝はびっくりしましたね。
一つの時代が終わったって感じでとても寂しい。
50才はとても早過ぎます。
by s-img (2009-06-26 23:58) 

ぼんくらオヤジ

s-imgさん、nice&コメント感謝です♪
CNNなんか、朝からブレーキング以外は
ずーっとマイケルの訃報が流れています。
今日一日、彼については新たに知ったことが
多々あり、今まで本当に好奇の目でしか
見ていなかったんだなぁと自己嫌悪気味です。
本当にそうですね、唐突にパタンと音がして、
ひとつの時代が終わってしまったんですね。
by ぼんくらオヤジ (2009-06-27 00:18) 

nano

訪問&nice!ありがとうございます
過去記事遡って拝見しますね♪
by nano (2009-06-27 00:55) 

ぼんくらオヤジ

nanoさん、
なんだかいっぱいniceをいただいたみたいで
本当にありがとうございました♪
これからも、どうかよろしくお願いします。
by ぼんくらオヤジ (2009-06-27 05:39) 

solty

このタイミング、またぞろの陰謀説なんては出ないでしょうが・・。
晩年の奇人扱いを本業で払拭してほしかったです。
by solty (2009-06-28 11:08) 

ぼんくらオヤジ

soltyさん、
いろんな意味で「タイミング」を思った方は多いんじゃないでしょうか。
本当に「奇人扱い」を受けたのは不幸なことだったと思います。
ろくに調べもせずに彼を奇人と思い込んでいたぼんくらオヤジも、
彼の不幸に荷担してたんだろうなぁ(自己嫌悪)。
by ぼんくらオヤジ (2009-06-28 14:31) 

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